【栃木県のお城】実は深い歴史がある! 魅力的な2つのお城

栃木県は、室町時代から戦国時代にかけての戦乱の世にはいくつもの城郭が乱立した歴史を持つ県。現存するお城には、日本100名城や関東7名城にも選ばれた歴史的な価値の高い立派なお城も存在します。今回は、そんな栃木県にある2つのお城をご紹介いたします。 

 今回ご紹介する栃木県内のお城は「足利氏館」と「唐沢山城」の2カ所です。1つ目の足利氏館は、足利市にあるお城であり、日本100名城の1つです。大正11年(1922)には国の史跡にも登録されました。古くは平安時代からと、長い歴史のあるお城ですが、いわゆる天守があるイメージ通りの一般的なお城の形はしていません。足利氏館は、その名前にもあるように館(たて・たち)と呼ばれる城塞を持つ貴人(豪族)の邸宅。 また「鑁阿寺」と呼ばれるお寺も敷地内に建立されているので、実際に行ってみると、「お城というよりお寺だなあ」と思う人も多いかと思います。 
 
2つ目の唐沢山城は、佐野市にあるお城。県内では宇都宮城と並び、関東7名城の1つで、続日本100名城の1つにも選ばれています。唐沢山城は「栃本城」「根小屋城」「牛ヶ城」などの別名もあります。天守は現存せず、城跡と山頂に神社が現在あるのみです。栃木県内には、過去に地方武士により多くのお城が建てられましたがその多くが廃城に。唐沢山城もそんなお城の1つです。

 ■足利氏館(日本100名城) 

足利氏館、栃木県
室町幕府を開いた足利氏ゆかりのお城・足利氏館(日本100名城)  写真提供:発見!ニッポン城めぐり

 日本100名城の1つである足利氏館は、室町幕府を開いた足利氏にゆかりのあるお城です。足利尊氏が室町幕府を開く以前、足利氏は鎌倉幕府の有力御家人でした。足利氏館の始まりは、足利氏2代目の足利義兼(あしかがよしかね)が、建久7年(1196)に持仏堂を建立した時とするのが一番有力な説とされています。

持仏堂の建立とともに、真言宗大日派の本山で、山号を「金剛山」とする「鑁阿寺」として足利氏一門の氏寺にもなりました。その後、足利義兼の子である足利義氏が持仏堂を改築し、本堂としました。本堂は1129年(大治4年)の落雷により焼失しましたが、その後、貞氏が禅宗様式を取り入れ改修を行い、これを機に、当時中国で最先端であった禅宗様式をいち早く導入した寺院となりました。鎌倉時代から室町時代にかけて、寺院として次第に整備が行われています。

足利氏館の見どころは、国宝に指定された「本堂」と、外堀にかかる楼門。本堂は、禅宗様式の仏堂の初期の例であり、大変貴重な文化財であることから、平成25年(2013)に国宝に指定されました。ご本尊様は「胎蔵内大日如来」で、申年および未年の守り本尊となっています。申年、未年生まれの方は参拝に赴くと良いご利益があるかもしれません!

方形居宅(堀と土塁によって守る)の特徴である外堀を、橋(太鼓橋)によって繋いでいる楼門は、13代目の足利義輝の時に再建されたものが現在も残っています。楼門のすぐ近くには、日本最古の学校と称される「足利学校(国史跡)」も隣接されていますよ。

所在地:栃木県足利市家富町2220
アクセス:JR両毛線「足利駅」から徒歩10分、東武伊勢崎線「足利市駅」から徒歩15分、北関東自動車道「足利IC」から車で15分
楽しみ方:お寺参り、楼門散策

 

■唐沢山城(続日本100名城) 

唐沢山城、栃木県
関東七名城の1つ!上杉謙信とも戦い、戦国時代を生き延びたお城 写真提供:発見!ニッポン城めぐり
 
唐沢山城は、関東七名城の1つであり、続日本100名城にも指定されています。上杉謙信が攻略できなかったとされる堅城であり、戦国時代を生き延びたお城です。なぜ上杉謙信ですら攻略できなかったのかその理由は、関東地方では珍しい本格的な石垣が残る山城であることにあります。

唐沢山城には、藤原秀郷(ふじわらのひでさと)による平安時代の築城伝説があります。あくまでも伝説ですが、少なくとも室町時代には佐野氏の居城となりました。

戦国時代には、越後の上杉謙信の侵攻をたびたび受けますが、それに耐え、佐野氏はその名を広めます。その後、佐野氏は北条氏に降りますが、天正18年(1590)の小田原平定では豊臣秀吉に従い、また慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いでは、徳川家康に与し所領を獲得しました。戦国の世が終わると、佐野氏は居城として佐野城を新たに築城します。これにより、唐沢山城は廃城となりました。

そんな唐沢山城の見どころは、本丸の跡地に建てられた神社と、関東地方の城では随一となる高さの石垣です。唐沢山神社は、廃城となった唐沢山城の本丸跡に建てられています。鳥居の左右にある巨大な石は、かつての本丸虎口にあった鏡石です。

唐沢山城の石垣は、関東地方のお城では珍しい高さ8mにおよぶ高石垣です。本丸の場所を囲んでおり、訪れた際は唐沢山神社への参道を歩く時にこの立派な高石垣を見物することができます。
 

所在地:栃木県佐野市富士町1409
アクセス:東武佐野線「田沼駅」から徒歩45分
楽しみ方:高石垣見学、唐沢山神社参拝

執筆/城びと編集部

※歴史的事実や城郭情報などは、各市町村など、自治体や城郭が発信している情報(パンフレット、自治体のWEBサイト等)を参考にしています

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