2018/12/28
2019年オススメの城【イベント編】大規模イベントに参加してお城ファン同士の交流を深めよう!
もうすぐ2019年。すでに来年のお城めぐりの計画を立てている人もいるでしょう。来年も城に行きたいけど、どこに行こうか迷っているという人のために、2019年に訪れてほしい注目のお城を紹介! 今回は、「全国城サミット」や「こうふ開府500年記念事業」など、城に関わるイベントを取り上げます。
【志布志城・美濃金山城】今年の全国城サミット&全国山城サミット開催地は…?
全国の城跡や城下町を有する自治体同士の交流を目的としてはじまった「全国城サミット」と「全国山城サミット」。お城好き著名人の講演や城郭研究家の解説を聞きながら歩ける城めぐりイベントなどが行われます。毎年多くのお城ファンが参加する人気イベントですが、2019年はどのお城で開催されるのでしょうか?
「城サミットinかごしま志布志」の舞台となる南九州には「シラス台地」と呼ばれる急崖地形に築かれた城が多く、他地域とは違った城めぐりを楽しめる(全国城サミットinかごしま志布志事務局提供)
「全国城サミット」は「第6回 全国城サミットinかごしま志布志」と題して、2月23日〜25日に開催。初日の23日は志布志城がある宮崎県志布志市で、奈良大学教授の千田嘉博教授による記念講演、千田教授や鹿児島国際大学の三木靖名誉教授の解説のもと志布志城に攻め入る「志布志城攻めミニバスツアー」が行われます。24日は島津氏の本拠・鹿児島城があった鹿児島県鹿児島市で三木名誉教授の記念講演が開催。そして、最終日である25日は鹿児島市周辺の山城をめぐる「山城攻めバスツアー」が催行されます。
各会場には全国の城に関わる団体がブースを出展。最新の観光情報や城グッズなどが入手できます。記念講演や城攻めツアーへの参加申込は1月4日(金)まで。公式HPのフォームかはがき、FAXからの申込が可能なので、まだ申し込んでいない人は急いで応募しましょう。
「山城サミット」が行われる可児市には、美濃金山城や久々利城など山城跡が多く残っている(可児市提供)
「全国山城サミット」は、11月9日(土)、10日(日)に美濃金山城などの山城がある岐阜県可児市の可児市文化創造センターで行われます。毎年人気の企画である城郭研究家による講演や山城めぐりツアーをはじめ、全国の山城関連団体が城の紹介ブースを出展する「センゴク見本市(仮称)」の開催が予定されているそうです。
参加申込方法を含めた講演や山城めぐりツアーの詳細は、実行委員会発足後に出来る公式HPで発表されます。また、可児市では現在ブース出展団体を募集中です。地域の山城を紹介したいと考えている団体は、可児市の文化財課に問い合わせてみてください(連絡先:0574-63-1111)。
【躑躅ヶ崎館・小田原城・駿府城】関東三英雄の領国で500周年イベントが開催!
戦国時代の東国で覇権を争った武田家、北条家、今川家。2019年、彼らが治めていた甲府、小田原、静岡で周年イベントが行われます。2018年秋には、3つの記念事業の推進組織が相互協力していく、「平成の甲相駿三国同盟」も表明されており、2019年は一層の盛り上がりとなること間違いナシです。
開府500年ポスターには、富士山やワインなどを甲府市のシンボルや名産品を紋章化した図案があしらわれている。市内には同デザインののぼりが立ち、500年事業を盛り上げる(こうふ開府500年記念事業実行委員会提供)
甲府で行われるのは、武田信虎(たけだのぶとら)による躑躅ヶ崎館への本拠地移転から500周年となることを記念する「こうふ開府500年」。すでに500日前、300日前などのカウントダウンイベントが行われており、甲府市内はイベントムードに盛り上がっています。
イベントの開幕は2019年1月1日。12月31日(月)のカウントダウンを経て、1月1日に開府500年を祝った後、武田信玄(たけだしんげん)の生誕から500年となる2021年まで市内各地で様々なイベントが行われる予定です。また、1月1日からの記念ワイン販売など、記念グッズも続々登場するので、この機会に甲府へ足を運んでみてください。
五百年事業のメインビジュアルは、墨絵師の御歌頭(おかず)氏が手がけたものだ(北条早雲公顕彰五百年事業実行委員会提供)
北条家が本拠とした小田原は、2018年に開府500年を迎え、様々なイベントが行われていました。2019年も初代当主・北条早雲(ほうじょうそううん)の没年から500年にあたることから、早雲の事績を振り返る「北条早雲公没後五百年事業」が引き続き催行されます。2019年も小田原城をはじめとする北条氏の城で記念イベントが行われる他、小田原と北条家の歴史を解説する「小田原北条セミナー」の第4回〜6回も開催されます(セミナーは定員に達したため、応募が締め切られています)。
また2018年に人気だったスタンプラリー「北条旅券」が2019年も行われます。「北条旅券」とは、五百年事業のイベント会場や小田原市内の観光施設に設置されたスタンプを集めると、市内の商業施設や観光施設で割引などの優待が受けられるというもの。もちろん、2018年に集めたスタンプは2019年も有効なので、スタンプをたくさん集めて、お得にイベントを楽しんでみてください。
2018年に落慶法要が行われた今川神廟。廟内には今川義元と息子の氏真が祀られている
今川家の本拠地だった静岡市では、今川義元(いまがわよしもと)の生誕500年を記念した「今川義元公生誕500年祭」が催行。内政・軍事に優れた将だったにも関わらず、桶狭間の敗死により「愚将」の烙印を押されてしまった義元の真の姿を広めるべく様々な事業が展開されます。2018年には、義元を祀る「今川霊廟」が再建され、義元の命日である5月19日に落慶法要が行われました。
2019年の注目事業は、「義元左文字復元プロジェクト」。桶狭間の戦いで織田信長に奪われ、短く加工されてしまった義元の愛刀・義元左文字を、義元が所持していた当時の姿で復元しようという取り組みです。また、2017年5月19日からは、500年祭の機関誌として「今川新聞」が刊行されています。これから開催されるイベントの情報も掲載されているので、気になる人は購読してみてください。
【明石城】築城から400年を迎える明石城の新たな姿を見に行こう!
城のシンボルである2基の櫓はJR明石駅のホームからもよく見える。今後は、石垣までしっかり見られるようになるので、市のシンボルとして城ファン以外にも知られるようになるだろう((一社)明石観光協会提供)
江戸幕府2代将軍・徳川秀忠が、姫路城に次ぐ西国防衛の拠点として重要視した明石。秀忠が譜代大名・小笠原忠真(おがさわらただざね)に10万石を与えて築かせた城が、今日の明石城です。天守の存在しない城ですが、寛永期に建てられた三重櫓の内2基が現存しており、現在は城跡一帯が明石公園となり市民の憩いの場となっています。
明石城は、2019年に築城400年を迎えます。明石市の市政開始100年と重なっていることもあり、市内では様々なイベントが予定されています。注目の事業は景観整備。現在、明石公園には樹木が繁茂しており、城の景観を損ねてしまっています。また、樹木の中には石垣内部へ根をのばしているものもあり、ともすれば石垣が崩落しかねない危険な状況。こうした問題を解決するため、2017年から公園内の樹木の間伐を行っており、2019年には巽櫓と坤櫓をつなぐ石垣など城内の施設がスッキリ見えるようになる予定です。他にも、城や城下町をめぐるウォーキングイベントや建物や石垣のライトアップイベントなどが企画されています。
執筆・写真/かみゆ歴史編集部
ポップな媒体から専門書まで編集制作を手がける歴史コンテンツメーカー。かみゆ歴史編集部として著書・制作物多数。