川越城下町でさつまいもグルメを食べ歩き!江戸時代から続く芋ブーム!?

東京の池袋から電車で30分とアクセス抜群の観光地「川越」。川越を訪れる観光客は年々増加の一途を辿り、川越氷川祭の山車行事がユネスコ無形文化遺産に登録された翌年には、700万もの人が訪れました。蔵造りの街並みを歩く一番街通りや、シンボル「時の鐘」がある鐘つき通りでは、浴衣姿の若い男女が食べ歩きを楽しむ姿を見かけます。
川越といえば、さつまいもが街を代表するグルメになっていますが、お芋のイメージが定着するようになったのは実は江戸時代からなのです。城下町で食べ歩きを楽しみたい方は、週末のお出かけは川越で決まり!

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貴重な現存御殿が見学できる「川越城」 川越市役所前、川越城図、碑

川越市役所前にある川越城図の碑

(公財)日本城郭協会が選定する日本100名城に選ばれた「川越城」は、長禄元年(1457)に上杉持朝(もちとも)が太田道真・道灌に命じて築城しました。江戸時代には、徳川家の譜代大名を配置し江戸城の北を守る城としての役割を担います。

川越城、県指定文化財、本丸御殿
県指定文化財の本丸御殿は絶対に見たい

川越城の見どころといえば、往時の姿のまま現存する本丸御殿。現存する城の御殿は日本にたった4つしかない貴重な遺構です!川越城の本丸御殿では、玄関や、三十六畳を有する大広間、そして移築された家老詰所などを見学することができます。

川越城、復元整備、中ノ門堀跡
復元整備された中ノ門堀跡が住宅地に潜む

中ノ門堀では、法面の傾斜角度にも注目です! 左側(中心側)は60度。一方の右側(城外側)は30度と、堀の傾斜角度が異なっています。

住宅地の開発が進み、川越城の名残を楽しめるスポットはわずか。中曲輪から三ノ曲輪へと入るところにあった「中ノ門堀」は、整備保存された川越城の貴重な堀跡です! かつては、突破することが難しい技巧的な防衛ポイントだったそう。川越城歩きには欠かせない見学スポットです!

<基本情報>
住所:【本丸御殿】埼玉県川越市郭町2-13-1
           【中ノ門堀跡】埼玉県川越市郭町1-8-6
電話番号:【本丸御殿】049-222-5399 (川越市立博物館)
                  【中ノ門堀跡】049-222-5556(川越市観光案内所)
開館時間:【本丸御殿】9:00〜17:00(最終入館16:30)
                  【中ノ門堀跡】9:00〜17:00
休館日:【本丸御殿】月曜日(休日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)、館内整理日(毎月第4金曜日、ただし休日は除く)
               【中ノ門堀跡】年末年始(12/29~1/3)、都合により変更することも

川越名物の芋グルメ!火付け役は江戸だった

小江戸、川越、蔵造り、街並み
小江戸・川越は蔵造りの街並みが見どころ

明治26年(1893)、川越の町を襲う火事がありました。一番街通りに蔵造りの建物が並んでいるのは、火災を教訓に燃えにくい建物が好まれたからです。時は遡り、寛永15年(1638)にも城と城下町の3分の1が燃える火事があり、時の城主・松平信綱によって城と城下町の整備が行われました。

この整備により近世城郭に生まれ変わった川越城。現在、観光客で賑わう「蔵造りゾーン」の周辺には、かつて商人町・職人町が配置されていました。

のちに川越が「小江戸」とまでに言わしめるようになったのは、新河岸川を使って江戸まで物資を運んだ水上交通路があったからです。川越城下町は物流の拠点となり、経済面でも大きな発展を見せました。そして、川越の名産「芋」も経済成長を助長したものの一つ。お芋は江戸でブームをおこしたのです!

川越、鐘つき通り
「鐘つき通り」には浴衣姿の男女が行き交う

1830年頃の書物『諸国名物番付』には、さつま芋の代表産地に川越が記されています。18世紀末頃には、飢餓に苦しんだ江戸庶民の間で甘くて安い焼き芋が大ヒット! 川越地域は、質のよい高品質なさつま芋の栽培に成功しており、舟運の便の良さも味方して大産地となっていったようですね。

そして現在、川越には全国からさつま芋が集まり、多種多様な芋スイーツが誕生しています。川越を訪れたら、江戸時代より愛され続けた名物を食べずにはいられません!

川越の王道!「菓匠右門」は店舗ごとに個性がある

川越、時の鐘、いも恋
時の鐘店では、HOTな「いも恋」も販売している

川越を拠点に全8店舗を経営する「菓匠右門」。お芋スイーツを多種販売する菓匠右門は、川越を訪れたら絶対に外せないお店です! さつま芋の甘納豆「芋納糖」や、さつま芋本来の旨さや風味を味わえる「芋ぽて」は、川越土産の定番商品となっています。お土産だけではなく、プレゼントにもぴったりです。

いも恋、川越
「いも恋」 1個180円

そんな菓匠右門の看板商品は「いも恋」。最盛期には、なんと1日に1万個も作っているのだそうです。

さつま芋につぶし餡をのせ、生地で包み込んだ一品! 山芋ともち粉が混ぜられた生地はモッチモチです。いも恋は、あたためてから食べるのがルール。時の鐘店の店頭では、ホクホクのいも恋も販売しているので、すぐに食べたい方は時の鐘店へ行きましょう。

川越けんぴ工房、直売所
若者で賑わう川越けんぴ工房直売店

菓匠右門の注目店舗がもう一つ! 2016年6月にオープンした「川越けんぴ工房直売店」では、揚げたての川越けんぴとお芋のソフトクリームを専門に販売しています。芋けんぴはプレーン味のほか、胡麻味や塩味も人気です。

川越、お芋ソフトクリーム、芋けんぴ
お芋のソフトクリーム(税込み300円)

行列ができるお芋のソフトクリームは、食べ歩きに丁度いい小ぶりなかわいいサイズ。バニラ味やミックスもありますが、オススメはお芋味! 添えられた芋けんぴはお芋の風味をさらに盛り立てています。

<基本情報>
住所:【時の鐘店】埼玉県川越市幸町15‐13
           【川越けんぴ工房直売店】埼玉県川越市元町2-9-3
電話番号:【時の鐘店】049-226-5663
                  【川越けんぴ工房直売店】049-223-2323
営業時間:【時の鐘店】9:00~18:00 /【川越けんぴ工房直売店】10:00〜17:00
定休日:年末年始

新感覚のおにぎり型の焼き芋!?「翠扇亭」の芋太郎

翠扇亭、川越、小江戸横丁
小江戸横丁に入口にある翠扇亭

蔵造り並ぶ一番街通り。その一角にある小江戸横丁は、食事処や雑貨・アクセサリーのお店など8店舗が入る立寄りスポットです。横丁の入口にある「翠扇亭(すいせんてい)」は、さつまいもをファーストフード感覚で楽しめるお店。

翠扇亭、芋太郎、焼き芋、川越
おにぎり型の焼き芋「芋太郎」(1個180円)

看板商品の「芋太郎」は、川越の農家から取り寄せた芋の身を練って焼いた、おにぎり型の焼き芋。他の調味料は入れていないので、芋本来の甘みを堪能できます。さらには、表面を鉄板で焼くため外はパリッと。新感覚の焼き芋をご賞味下さい!

<基本情報>
住所:埼玉県川越市元町2-1-3 小江戸横丁内
電話番号:049-226-3355
営業時間:(1F)10:30~18:00(売り切れ次第終了)/(2F)11:00〜売り切れ次第終了
定休日:月曜日・火曜日(祝日の場合は翌日) 

がっつりランチは「大八」のラーメンと餃子!もちろんお芋です

川越ラーメン、餃子菜館、大八
「餃子菜館 大八」はメディアにも取り上げられる有名店

創業60年。川越のB級グルメ、元祖・太麺やきそば発祥の店「餃子菜館 大八」。川越のランチといえば、ココ! 街ブラをテーマにしたテレビ番組でも取り上げられる名物店です。

川越ラーメン、紫いも餃子、餃子菜館、大八
川越ラーメン(650円)と紫いも餃子(5個370円)

川越ランチといえば蕎麦やうどん、うなぎがメジャーですが、芋グルメにこだわるならば大八の「川越ラーメン」は必至です! 昔ながらの醤油ラーメンにはお芋がトッピング。ラーメンには合わないだろう……と疑いながら口にいれると、ビックリ!これが意外とマッチするのです。スープの味が染み込んだ頃が食べ頃ですよ。

そして、皮に紫いもを練り込んだ「紫いも餃子」はインパクト大! 中には、お芋の角切りがゴロゴロと入っており、餃子に甘さを添えます。一口目は、醤油やラー油はつけずにそのままの味を楽しんでみてください。

<基本情報>
住所:埼玉県川越市大手町14−7
電話番号:049-224-0072
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜日

芋を食べたら江戸時代にタイムスリップ!?

川越にお芋のイメージが定着したのは、江戸時代からでした。お芋グルメを食べた時は、江戸時代を生きた川越城下町の人々に想いを馳せてみてくださいね。 川越城下町散策の際は、併せて川越城の本丸御殿や富士見櫓跡、中ノ門堀跡なども行ってみてください!それでは、よい旅を。

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 執筆・写真/いなもと かおり
 お城マニア&観光ライター
 29歳になる城マニア。國學院大學文学部史学科古代史専攻卒。19歳の時に、会津若松城に一目惚れしてから城の虜となる。訪城数は400ほど。国内旅行業務取扱管理者、日本城郭検定準1級、温泉ソムリエ、夜景鑑賞士2級の資格をもつ。メディア出演は、日本テレビ『ズームイン!!サタデー』、フジテレビ『おっかけのおっかけ』、BS日テレ『中川翔子のマニア☆まにある』など。

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