日本の夏を彩る風物詩! お城と一緒に楽しめる花火大会10選

例年よりも短かった梅雨が明け、もうすぐ夏休みが来ます。夏の風物詩といえば真っ先に思い浮かぶのが、夜空を鮮やかに彩る花火ではないでしょうか。花火大会は安全確保のため川や湖などで行われることが多く、水上交通を押さえるために水辺に築かれることが多い近世城郭では、城と一緒に花火が楽しめることが多いのです。今回の特集では、天守と花火を一緒に見ることができる花火大会を厳選してご紹介。今年の夏は、少し遠出をして花火と城を堪能しに行きませんか?

[大洲城]天守に降り注ぐ夜空の華

築城の名手・藤堂高虎が近世城郭に改修し、江戸時代は大洲藩主加藤氏の居城だった大洲城(愛媛県)。天守が史実に忠実に木造復元されていることでも有名ですね。そんな、大洲城下で行われるのが、弁天様と住吉様の縁日に行われていた花火が起源の「大洲川まつり花火大会」。大洲城の真下を流れる肱川に、2日間あわせて4000発の花火が打ち上がります。大洲城は夜間も城内に入れる(天守は17:00で閉館)ため、天守に降り注ぐような花火の写真を撮ることもできます。また、花火の当日は鵜飼見物用の遊覧船もでているので、船上から花火と城を眺めるのもオツかもしれませんね。

大洲川まつり花火大会
花火の打ち上げ場所は城の真下のため、城内からは天守に花火が降り注ぐような光景を見ることができる(写真:大洲市観光まちづくり課提供)

[城名]大洲城
[イベント名]大洲川まつり花火大会
[開催日時]8月3日(金)、4日(土)20:00〜21:00

[丸亀城]瀬戸内海に上がる金色のスターマイン

瀬戸内海を望む丸亀城(香川県)。一二三段と呼ばれる折り重なる石垣が有名な丸亀城の城下町では、地域を盛り上げるため2011年から新しいダンスの祭典「まるがめ婆娑羅まつり」が開催されています。その1日目に丸亀港で行われるのが約5000発の花火が上がる花火大会です。プログラムは「華」と「美」「ブルー・フラッシュ・アワー」の3部に分かれており、それぞれのテーマに沿って花火が打ち上げられます。特に丸亀の夜空を金色に染め上げる「ブルー・フラッシュ・アワー」のスターマインは圧巻の迫力。天守と会場は少し距離があるので、天守と花火を一緒に撮るなら搦手付近の高さのある場所から撮りましょう。

まるがめ婆娑羅まつり花火大会
プログラムの最後3分間に打ち上げられる700発のスターマインは大迫力だ(写真:丸亀商工会議所提供、横田卓撮影)
 
[城名]丸亀城
[イベント名]まるがめ婆娑羅まつり花火大会
[開催日時]8月18日(土)20:15〜21:00

[彦根城]35万石の城下で楽しむ夏の陣

彦根城(滋賀県)は徳川将軍家から要衝の地・近江の押さえを任された井伊家が築いた城。江戸時代初期に建てられた天守は、様々な形の破風で美しく飾られており、国宝にも指定されています。城下で開催される夏イベント「彦根夏の陣」の一つとして行われるのが、約6000発の花火が琵琶湖に上がる「彦根大花火大会」。特にラストに連発されるスターマインは見逃し厳禁の美しさです。花火当日は遊覧船も運航しているので、琵琶湖上から大迫力の光景を楽しむこともできます。打ち上がる花火を背景に天守を撮るなら、京橋口駐車場付近がおすすめ。

彦根大花火大会
彦根大花火大会は、花火師が丹精込めてつくった芸術玉が目玉だ(写真:彦根観光協会)

[城名]彦根城
[イベント名]彦根大花火大会
[開催日時]8月1日(水)19:45〜20:30

[岡崎城]藩主も上覧した伝統の花火

徳川家康の出生地として知られる、岡崎城(愛知県)の城下町で毎年行われる「岡崎城下家康公夏まつり」。まつりの後半に行われる花火大会は菅生神社を起源としており、文政元年(1818)には当時の藩主も上覧したといわれています。花火大会では大迫力のスターマインはもちろんのこと、水面を泳ぐように走る「金魚花火」や一直線に並べられた大筒から一斉に火柱が吹き上げられる「大のし」など他では見られない花火を見ることができます。城内にある岡崎公園多目的広場は花火大会のサテライト会場になっており、天守と花火のコラボレーションを楽しめる他、本会場の生中継も行われます。

岡崎城下家康公夏まつり花火大会
サテライト会場の岡崎公園多目的広場からは天守と花火のツーショットが撮れる(写真:岡崎市提供)

[城名]岡崎城
[イベント名]岡崎城下家康公夏まつり花火大会
[開催日時]8月4日(土)18:50〜21:00

[岡山城]打ち上げ花火、天守とみるか?天守から見るか?

漆黒の天守を持つことから「烏城」とも呼ばれ、市民に親しまれている岡山城(岡山県)。日本三大庭園の一つ・後楽園があることでも有名な岡山で毎年行われるのが、「おかやま桃太郎まつり」です。独特のメイクをまとった踊り子たちが2日間にわたって踊る「うらじゃ」とともに花火大会が行われます。岡山城の真下を流れる旭川で行われる花火は、仕掛け花火やスターマインの連発など見どころ満載。通常、天守は、17:30で閉館してしまうのですが、8月は岡山城天守のライトアップと夜間営業のイベント「夏の烏城灯源郷」が行われているので、天守から花火を見ることが可能です。日本三大庭園の一つ・後楽園からは天守越しに咲く大輪の花火を撮影することもできます。

おかやま桃太郎まつり
岡山城天守は21:30まで開館しているため、天守から花火が楽しめる(写真:シャリー/PIXTA)

[城名]岡山城
[イベント名]おかやま桃太郎まつり納涼花火大会
[開催日時]8月4日(土)19:30〜20:30 

[犬山城]10日間楽しめる木曽川の花火

国宝指定された現存天守を有し、小牧・長久手の戦いやなど数多くの歴史の転換点に立ち会ってきた犬山城(愛知県)。その犬山城下を流れる木曽川では、10日間連続で花火大会が行われます。1日約10分程度の短い時間ですが、木曽川に浮かぶ船上から打ち上げられる花火は風情たっぷりです。長期にわたって行われる花火大会の締めを飾るのが約3000発を打ち上げる「日本ライン納涼花火大会」。大型のスターマインが次々と夏空を彩ります。ライン大橋など木曽川沿いからは、花火を背景にライトアップされた天守を撮影することができます。対岸の岐阜県から撮影するのも乙かもしれませんね。

木曽川ロングラン花火・日本ライン納涼花火大会
9日間のロングラン花火とそれを締めくくる3000発の花火は、木曽川の夏の風物詩だ(写真:稲垣 一志/PIXTA)

[城名]犬山城
[イベント名]木曽川ロングラン花火・日本ライン納涼花火大会
[開催日時](木曽川ロングラン花火)8月1日(水)〜8月9日(木)19:50〜20:00、(日本ライン納涼花火大会)8月10日(金)19:30〜20:20

[松江城]迫力満点!1万発の打ち上げ花火

慶長の創建時に築かれた天守が残る松江城(島根県)。その松江城に隣接する宍道湖で開かれるのが「松江水郷祭湖上花火大会」です。今年は松江藩中興の祖にして優れた茶人だった7代藩主・松平治郷(不昧公)の没後200年を記念し、抹茶色の花火で幕開けとなります。打ち上げられる花火は約1万発で、これは中国地方で5本の指に入る規模です。本丸以外は見学自由なので、城内の馬洗池などから花火と天守の写真を撮影できます。

松江水郷祭湖上花火大会
湖上花火の打ち上げ総数1万発は中国地方屈指の規模だ(写真:松江観光協会提供)

[城名]松江城
[イベント名]松江水郷祭湖上花火大会
[開催日時]8月4日(土)20:00〜21:00

[小田原城]音楽とシンクロする「ハナビイリュージョン」

戦国時代に関東を治めた北条氏が本拠とした小田原城(神奈川県)。その城下の中心を流れる酒匂川で行われる「酒匂川花火大会」は、打ち上げ総数約1万発と、神奈川県内でも屈指の玉数を誇ります。ストーリー性のある4部構成のプログラムが特徴で、音楽にあわせて花火が打ち上げられる「ハナビイリュージョン」は、他の花火大会とは違った感動を味わえます。会場と小田原城は少し離れているので、天守と花火を一緒に撮るなら、城の南西方面の高所から撮影しましょう。また、城内は見学自由のため(天守と常磐木御門内は除く)、城内から花火を楽しむこともできます。

酒匂川花火大会
酒匂川花火大会は音楽にあわせて花火を打ち上げる「ハナビイリュージョン」が見どころ(写真:小田原市提供)
 
[城名]小田原城
[イベント名]酒匂川花火大会
[開催日時]8月4日(土)18:30〜20:00

[大阪城]太閤さんの城と見る天神様の奉納花火

天下人・豊臣秀吉が居城を築き、江戸時代には「天下の台所」として栄えた大阪で平安時代から続く大阪天満宮の天神祭。天神様を乗せた御鳳輦(ごほうれん)が市内を練り歩く祭りの最中、天神様に奉納するための花火が大川に打ち上げられます。打ち上げられる約3,000発の花火の中は仕掛け花火や、天神様に因み梅の形に開く花火などがあり、これらの花火が大川に繰り出した100隻の船団を照らし出す様は壮観の一言。城周辺はビルが多いため、天守と花火のツーショットを狙うなら、大阪城南側や大川の対岸の高めの建物から撮影しましょう。

天神祭
天神祭の奉納花火では、天神様が愛した梅の花の形をした花火も打ち上げられる(写真:カゲッチ/photolibrary)
 
[城名]大阪城
[イベント名]天神祭奉納花火
[開催日時]7月25日(水)19:30〜20:50

[高知城]伝統行事の開幕を告げる

関ヶ原の戦いで西軍に与したため改易された長宗我部氏に代わって土佐国に入った山内一豊が築いた高知城(高知県)。その城下町・高知市で8月10日からはじまる伝統行事「よさこい祭り」の前夜祭として行われるのが、「高知市納涼花火大会」です。城下を流れる鏡川や街のシンボルである筆山などから約4000発の花火が打ち上げられます。翌日からのよさこい祭りと一緒に楽しみたい花火大会です。高知城は本丸以外は見学自由なので、二の丸下や二の丸などから天守と花火を一緒に撮ることができます。

 高知市納涼花火大会
城内は二の丸まで見学自由。城の中から花火を楽しもう(写真:高知県提供)

[城名]高知城
[イベント名]高知市納涼花火大会
[開催日時]8月9日(木)19:30〜21:00

執筆・写真/かみゆ(小関裕香子)
書籍や雑誌、web媒体の編集・執筆・制作を行う歴史コンテンツメーカー。かみゆ歴史編集部として著書・制作物多数。

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