2018/03/09
全国縦断!桜を愛でる花見の城 桜を愛でる花見の城 2024 第3回|【近畿・北陸編】フォトジェニックなお花見スポット満載!
春の訪れを告げる桜の花。お城で楽しめる桜まつりやお花見スポットをご紹介。今回の近畿・北陸編は大阪城や姫路城など誰もが知る有名城郭が登場です。※2024年3月5日 2024年版に更新 ※イベントについては中止・変更となる場合がございますので、各自治体・観光協会・お城のホームページなどを確認の上、お出かけいただきますよう、お願いいたします。
日本気象協会が発表した桜の開花予想によると、今年は3月19日ごろから福岡や高知で開花前線がスタート。満開になるのは、開花から1週間〜10日後で、東京や大阪は3月下旬とのことなので、ちょうど新学期がはじまる頃にお花見が楽しめそうです。今から楽しみですね!
さて、桜前線とともに北上しながら桜の名城を紹介する「全国縦断!桜を愛でる花見の城」。第3回は近畿・北陸地方の桜の名城と桜イベントを取り上げていきましょう。
▼お花見ができる【桜の名城MAP】詳しくはこちら
[郡山城(奈良県大和郡山市)]堀に浮かぶ御殿桜の花筏
郡山城(奈良県)は豊臣秀吉の弟・秀長が居城とした城。天守台石垣には多くの転用石が使用されており、中でも石垣内部の「逆さ地蔵」が有名です。
城内には約800本もの桜が堀を囲むように植えられており、「御殿桜」の愛称で親しまれています。桜の見頃となる3月下旬〜4月上旬には「大和郡山お城まつり」が開催。時代行列や市民パレードが市内を練り歩く様は、かつての城下町がよみがえったかのよう。他にも名産品の販売、金魚の品評会などイベントが盛りだくさんです。期間中は夜桜ぼんぼりが設置され、天守台もライトアップします。
復元された追手向櫓と夜桜。水堀に浮かぶ花筏が風情を感じさせる
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]第63回大和郡山お城まつり
開催日:2024年3月24日~4月7日
会場名:郡山城跡
アクセス:JR郡山駅から徒歩約15分。近鉄郡山駅から徒歩約7分
イベント詳細:http://www.yk-kankou.jp/
[姫路城(兵庫県姫路市)]白鷺の城を色づかせる花霞
姫路城(兵庫県)はかつて黒田官兵衛や羽柴(豊臣)秀吉が城主を務め、池田輝政が近世城郭へと改修した城。白鷺城の異名の由来となった純白の天守は、国内のみならず海外からも高い人気を誇っており、城郭建築の代表といっても差し支えないでしょう。
姫路城内には約1,000本の桜が植えられており、春になると満開の桜が白鷺の城を包み込みます。姫路城では桜の見頃にあわせて「姫路城観桜会」を開催。三の丸広場に設けられた特設ステージで太鼓や琴の演奏が行われ、地酒や姫路おでんなどの地元の名産も販売されます。
姫路城の天守群と桜。2015年に完了した「平成の大修理」で往時の白さを取り戻した純白の天守に桜色が映える
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]姫路城観桜会
開催日:2024年3月30日
会場名:姫路城三の丸広場
アクセス:JR姫路駅から徒歩約20分
[大阪城(大阪府大阪市)]3,000本の桜に囲まれ、気分は天下人!
豊臣秀吉が築城し、徳川将軍家によって現在の姿に整えられた天下の名城・大阪城(大阪府)。豊臣家、徳川家が建てた天守はいずれも短期間で焼失してしまいますが、昭和初期に立てられた復興天守は今なお健在。「太閤さんの城」として大阪府民に愛されています。
大坂城内公園は約3,000本の桜を有する関西屈指のお花見スポットで、西の丸庭園だけでも約300本の桜を楽しむことができます。そんな大阪城では桜が見ごろを迎える時期に合わせ、西の丸庭園で桜のライトアップイベント「観桜ナイター」を開催。夜空にたたずむ天守を背景に幽玄な桜の世界を堪能できます。他にも、春からGWにかけて期間限定で「森のバーベキュー」と銘打った有料BBQエリア(予約制)を設置します。
大阪城復興天守と桜。明かりに照らされた桜が、天守の金装飾をさらに輝かせる
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]
西の丸庭園観桜ナイター(開催日:2024年3月下旬〜4月上旬)
有料BBQエリア(開催日:2024年3月中旬~5月中旬)
[二条城(京都府京都市)]幕末維新の舞台を照らす花明かり
徳川将軍家の宿所として造られ、江戸幕府の終焉・大政奉還を見届けた二条城。二の丸御殿や天守台などの遺構が残っており、「古都京都の文化財」として世界遺産にも登録されています。絢爛たる御殿建築を一際華やがせるのが、城内に咲き誇る約300本の桜たち。毎春行われる「二条城桜まつり」では、昼は文化体験企画のほかキッチンカーなどの様々なイベントを展開し、夜は桜や歴史的空間のライトアップが楽しめます。
桜まつり期間中は、ライトアップにより桜が幻想的に映し出される。唐門ではプロジェクションマッピングも行われる(京都市元離宮二条城事務所)
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]二条城桜まつり
開催日:2024年3月8日〜4月7日
会場名:元離宮二条城
アクセス:地下鉄東西線二条城前駅から徒歩約5分
[和歌山城(和歌山県和歌山市)]御三家の城で楽しむ絢爛な春
和歌山城は、江戸幕府御三家の一つ・紀州徳川家の居城。城内には約600本の桜が植えられており、特に岡口門から二の丸までの桜並木が人気の撮影スポットです。3月下旬から始まる「和歌山公園桜まつり」では、ボンボリや提灯で夜桜のライトアップが行われるほか、夜店の出店もあります。
重要文化財の岡口門周辺は、城内でも人気が高いお花見スポットだ。門越しに見える天守、周辺には満開の桜という情趣たっぷりの光景が楽しめる
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]和歌山公園 桜まつり
開催日:2024年3月20日〜4月7日
会場:和歌山公園
アクセス:南海和歌山市駅から徒歩約10分
[丸岡城(福井県坂井市)]古の天守と楽しむ桜まつり
丸岡城(福井県)は織田家の重臣・柴田氏によって築かれ、古式の望楼型天守が残る城。安土桃山時代に築かれた現存天守の築城年には諸説あり、犬山城と現存最古の天守の座を争っています。
丸岡城に植えられた約400本のソメイヨシノは4月上旬〜下旬にかけて開花します。桜の見頃にあわせて開かれる「丸岡城桜まつり」は、桜の花に浮かび上がる丸岡城天守へのプロジェクションマッピングやライトアップなどを楽しむことができます。
丸岡城天守と桜。丘陵全体が桜に覆われると、城下からは桜霞のなかに天守が浮かんでいるように見える
[桜の見頃]4月上旬
[イベント]丸岡城桜まつり
開催日:2024年3月23日〜4月12日
会場名:丸岡城及び霞ヶ城公園
アクセス:JR福井駅からバス「丸岡城」下車。徒歩すぐ
[高岡城(富山県富山市)]遊覧船から楽しむ1,800本の桜
高岡城(富山県)は加賀藩初代藩主・前田利長の隠居城として築かれた城です。利長の死後廃城となりますが、江戸時代を通じて加賀藩の番所や蔵が置かれ藩の重要の防御拠点であり続けました。
明治維新後は高岡古城公園として市民に開放され、約1,800本の桜が植樹されます。北陸きっての桜の名所として知られており、シーズンには県内外から花見客が訪れます。4月上旬に行われる「高岡桜まつり」ではかつての城主にちなんだ遊覧船「利長号」が運行され、城跡をめぐる水濠から桜を眺めることができます。
青空と桜、そして赤い駐春橋。まるで1枚の絵画を見ているかのような美しさだ(高岡古城公園管理事務所提供)
[桜の見頃]4月上旬
[イベント]高岡桜まつり
開催日:2024年4月1日~4月14日 ※ボンボリ点灯18時30分~21時
会場名:高岡古城公園
アクセス:JR高岡駅から徒歩約15分
〈近畿・北陸の桜の名城 その他14城〉
明石城(兵庫県明石市)
2019年に築城400周年を迎えた明石城。現在は明石公園として市民の憩いの場となっています。公園内にはバラ園があり、こちらも春が見頃です。「明石公園さくらまつり」では、毎年ライブなどのステージが楽しめます。
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]明石公園さくらまつり(2024年3月22日〜4月4日)
[アクセス]JR明石駅から徒歩約5分
竹田城(兵庫県朝来市)
「天空の城」ブームを牽引する石垣の城。雲海写真で有名ですが、実は桜の名所でもあります。春は石垣を桜色に染める桜雲写真を取りに行くのも乙かも知れませんね。
[桜の見頃]4月上旬~4月中旬
[イベント]竹田城跡夜桜ライトアップ(2024年3月29日〜4月7日)※週末限定で「早朝桜雲海」も実施
[アクセス]JR竹田駅から徒歩約60分
雲海の中に浮かぶ桜。竹田城でしか見られないレアショットだ(写真:吉田利栄)
岸和田城(大阪府岸和田市)
南北朝時代に築かれ、豊臣秀吉の伯父・小出秀政が近世城郭に改築した城。約170本の桜が咲き誇ります。4月初旬に行われる「お城まつり」では、岸和田城庭園「八陣の庭」のイルミネーションなど趣向を凝らしたイベントが行われます。
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]岸和田城お城まつり(2024年4月1日~4月15日)※4/6・7・13・14は20:30まで岸和田城を夜間開場
[アクセス]南海電鉄南海本線蛸地蔵駅から徒歩約7分
出石城(兵庫県豊岡市)
「但馬の小京都」と呼ばれた城下町を持つ近世城郭。「桜まつり」では夜桜ライトアップや名物のそば喰い大会などが行われ、城跡と城下町が一体となって盛り上がります。
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]桜まつり(2024年3月23日〜4月30日)
[アクセス]JR豊岡駅からバスで「出石営業所」下車、徒歩約3分
篠山城(兵庫県丹波篠山市)
藤堂高虎が縄張を担当し、天下普請で仕上げられた城。濠のまわりには、約1,000本のソメイヨシノが咲き乱れます。例年4月上旬に行われる「丹波篠山さくらウィーク」では、開花期間中にぼんぼりが点灯され夜桜を楽しめます。
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]丹波篠山さくらウィーク2024(2024年3月30日〜4月7日)
[アクセス]JR篠山口駅からバスで「二階町」下車。徒歩すぐ
龍野城(兵庫県たつの市)
「播磨の小京都」と呼ばれた城下町が残る龍野城。公園として解放されている城跡には「一目三千本」と称される見事な桜林が広がり、小京都の春を彩ります。
[桜の見頃]3月下旬〜4月中旬
[イベント] 龍野さくら祭(2024年3月31日)
[アクセス]JR本竜野駅から徒歩30分
福知山城(京都府福知山市)
明智光秀が近世城郭へと変貌させた城。城内には数多くの桜が咲き、模擬天守を背景にお花見を楽しむことができます。
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]なし
[アクセス]JR福知山駅から徒歩約20分
安土城(滋賀県近江八幡市)
織田信長が築いた近世城郭草分けの城。山麓の江藤の丘は桜の名所として知られており、約100本のソメイヨシノが楽しめます。開花期間はライトアップが行われます。
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]ライトアップ
[アクセス]JR安土駅から徒歩約25分
彦根城(滋賀県彦根市)
「井伊の赤備え」で有名な井伊家の居城。破風で飾られた国宝天守を背景に咲き誇る1,200本の桜は、彦根城の1年で最も美しい光景をつくり出します。
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]彦根城桜まつり(2024年3月28日~4月16日)
[アクセス]JR彦根駅から徒歩約15分
虎御前山城(滋賀県長浜市)
虎御前山城は、浅井攻めの際に織田信長が前線基地として使用した城。城域一帯にソメイヨシノなどの桜が約500本植わっており、桜の名所として地元の人びとに愛されています。琵琶湖や伊吹山を一望できる山上の絶景もお見逃しなく!
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]なし
[アクセス]JR河毛駅から徒歩約10分
長浜城(滋賀県長浜市)
羽柴秀吉が浅井攻めの功績によって得た領地に築いた城。資料館である模擬天守を囲むように約600本の桜が咲き、天守が桜の海の中に浮かんでいるかのような風景を楽しめます。
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]なし
[アクセス]JR長浜駅から徒歩約5分
金沢城(石川県金沢市)
加賀100万石・前田家の居城では復元された建物の白壁に約400本の桜により桜色に染め上げられます。かつて金沢大学理学部の植物園が設置されていた本丸では、桜以外にも四季折々の花を楽しむことができます。
[桜の見頃]4月上旬〜4月中旬
[イベント]なし
[アクセス]JR金沢駅からバス「兼六園下」下車。徒歩すぐ。
石川門と桜。桜色が門の白さを引き立てる
小松城(石川県小松市)
加賀藩2代藩主・前田利常の隠居城として整えられた城。三の丸は芦城公園として整備されており、桜をはじめとする四季折々の花が楽しめます。日が落ちたら、ぼんぼりに照らされた夜桜を楽しんでみて。
[桜の見頃]4月上旬〜4月中旬
[イベント]なし
[アクセス]JR小松駅から徒歩約15分
小丸山城(石川県七尾市)
能登に入国した前田利家が、新たに政庁として築いた小丸山城。城跡には現在もわずかながら石垣や土塁が残っています。城内に咲く桜は、ソメイヨシノやシダレザクラなど約200本。様々なイベントが行われる「小丸山さくらまつり」も例年開催されています。
[桜の見頃]4月上旬〜4月中旬
[イベント]小丸山さくらまつり(2024年4月中旬予定)
[アクセス]JR七尾駅から徒歩約5分
今石動城(富山県小矢部市)
今石動城(いまいするぎじょう)は、前田利家が越中攻略のために築いた山城です。現在は、公園化されており、約4000本の桜が咲く県内有数の桜の名所となっています。「城山お花見まつり」では、ステージイベントや屋台グルメを楽しむことも。
[桜の見頃]4月上旬〜4月中旬
[イベント]城山お花見まつり(2024年4月14日予定)
[アクセス]石動駅から徒歩約20分
越前大野城(福井県大野市)
雲海の中に浮かぶ復興天守が人気の「天空の城」。春になると城が建つ亀山は、約300本の満開の桜に埋め尽くされます。5月に咲くシバザクラのじゅうたんも圧巻。
[桜の見頃]4月上旬〜4月中旬
[イベント]なし
[アクセス]JR越前大野駅から徒歩約30分
※イベントの日程や内容は、変更となる場合がありますので、事前にご確認の上、お出かけください。
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執筆・写真/かみゆ歴史編集部
「歴史はエンタテインメント!」をモットーに、ポップな媒体から専門書まで編集制作を手がける歴史コンテンツメーカー。手がける主なジャンルは日本史、世界史、美術史、宗教・神話、観光ガイドなど歴史全般。編集制作物に『天皇〈125代〉の歴史』(西東社)、『さかのぼり現代史』(朝日新聞出版)、『ニュースがわかる 図解東アジアの歴史』(SBビジュアル新書)など。