2025/11/10
<出張!お城EXPO>情報 「知る×見る」で一段深く味わう!お城EXPOトークおよび各種ツアー紹介

11月23日(日)・24日(月・祝)に開催される「第5回名護屋城大茶会 × 出張!お城EXPO in 肥前名護屋城」。前回の記事ではイベントの概要をお伝えしましたが、今回はその続編として、専門家による開催地ならではのテーマ講演「~肥前名護屋城の価値を読み解く~お城EXPOトーク」の講演内容と、名護屋の歴史を体感できるガイドツアー情報をご紹介します。
現地だからこそ聴きたい!「~肥前名護屋城の価値を読み解く~ お城EXPOトーク」
■ 「豊臣秀吉と名護屋城 ― かつて日本の中心が肥前名護屋にあった時代」
講師:平山優先生(健康科学大学特任教授)
講演日時:11月23日(日)10:30~11:20
「秀吉が「唐入」のための拠点として築城した肥前名護屋城は、軍事拠点ではあったが、その存在は、その後の近世社会に数多くの影響を与えた。
まず特筆すべきは、時限的とはいえ日本の中心が肥前名護屋に移ったことである。武家関白秀吉の御座所である名護屋城の周囲には、それに従う日本全国の大名の陣屋が設置され、彼らは一門・家臣を率いてここに在陣したのである。
その後、渡海した者を除く諸大名は、名護屋城下で大名外交を繰り広げ、濃密なお付き合いが始まったのであった。そこで形成された人脈が、その後の政治局面に大きく影響を与えた。
その付き合いのツールとして大切にされたのが、茶の湯と能であった。この二つの文化が広く日本に広まっていくきっかけになったのは、名護屋城下での交流が契機である。
また大名たちの人脈形成は、秀吉死後の政治情勢で徳川家康のもとに求心力を生むきっかけにもなっていく。こうした人脈と、渡海した大名と残留した大名との思惑の相違や意見の対立がからみあい、それが慶長五年内乱へと発展していくのである。
肥前名護屋城とその城下が、近世社会に与えた影響をいくつかのエピソードを交えて紹介したい。」
■「日本城郭史上の名護屋城の評価」
講師:宮武正登先生(佐賀大学教授)
講演日時:11月23日(日)11:30~12:20
「大陸侵攻の渡海基地として築かれた名護屋城は、臨時の秀吉「御座所」という性格にありながら、最先端の築城理念と技術を駆使した当代屈指の巨城でした。
その特徴は以後の城郭様式に多大な影響を与え、近世城郭への進化の方向性を決定付けたのです。
これまでの約40年に及ぶ発掘成果の蓄積と文献史料の検討結果に基づきながら、我が国の城の発展史における名護屋城の存在意義と真価について解説を行います。」
■「縄張名人黒田官兵衛の集大成 名護屋城」
講師:小和田哲男先生(日本城郭協会理事長)
講演日時:11月23日(日)14:50~15:50
「築城名人というとすぐ加藤清正・藤堂高虎の名前が出てくるが、どちらかといえば二人は石垣などの普請名人といってよい。
築城名人のもう一つのジャンル「縄張名人」といったとき、まっ先に名前があがってくるのが黒田官兵衛である。自分の居城中津城だけでなく、豊臣秀吉の命を受けて、京の聚楽第や毛利輝元の広島城の縄張も手がけている。
その黒田官兵衛の縄張の集大成といえるものが肥前名護屋城だった。黒田官兵衛の築城歴に名護屋城を位置づける。」
【講演チケット申込方法】
会場:名護屋城博物館ホール
料金:指定席 ①②セット 1,000円、③1,000円(いずれも事前申込・先着順)
申込受付期間:
・2次申込 10月6日(月)~完売次第、受付終了
※詳細・申込は公式WEBサイトをご確認ください。
現地で「名護屋の歴史」に触れる5つのガイドツアー紹介
講演で学んだ知識を、今度は体感してみませんか?
「第5回名護屋城大茶会 × 出張!お城EXPO in 肥前名護屋城」では、歴史と文化をより深く知るためのガイドツアーが23日、24日両日開催されます。
● 「陣というより、まるで○○!」前田利家陣跡・プレミアムガイド 第2弾
開催日時:23日(日)16:10~16:45、24日(月・祝)10:30~11:15
料金:1,000円(前田利家陣跡内に設置された受付にて当日受付・支払)
11月に、前田利家の陣跡で新発見があったニュースが全国に流れました。今回の発掘調査成果によって、前田利家が豊臣政権下において最有力大名であったことを如実に示す新たな事実が明らかに! どんなものが発見されたのか?! 最新の発掘成果をもとに学芸員が現地で解説。参加者には前田利家陣カードをプレゼント!
前田利家陣跡
● “石垣界隈”へようこそ!石垣に恋した学芸員と歩く 名護屋城跡ガイドツアー
開催日時:23日(日) 10:00~11:00、24日(月・祝)11:30~12:30
料金:1,000円(会場内にて当日受付・支払)
定員:60名
秀吉によって全国から集められた戦国大名たちがそれぞれの軍事機密だった石工技術を駆使して築いた名護屋城。秀吉によって築かれ、城郭の全体像や石垣の技術的特徴を在りし日の迫力のままに現地で見て、触れることができる唯一の城跡であることから、今では「近世城郭遺構の至宝」と称されています。名護屋城に来たら石垣は見逃せない! “石垣愛”あふるる学芸員が高石垣や3連の鏡石など見どころ豊富なスポットを案内する「石垣」にフィーチャーしたガイドツアーです。参加者には石垣ガイドブックをプレゼント!

三ノ丸南西隅鏡石
● 名護屋城跡城内ガイドツアー
開催日時:23日(日)①9:30~10:30 ②10:30~11:30 ③11:30~12:30 ④13:00~14:00 ⑤14:00~15:00 ⑥15:00~16:00、24日(月・祝)①9:30~10:30 ②10:30~11:30 ③11:30~12:30 ④13:00~14:00 ⑤14:00~15:00
料金:500円(名護屋城跡観光案内所にて当日受付・支払)
定員:各回20名
初めての名護屋城散策にぴったり!
名護屋城の大手門から天守台まで、歴史ロマンを感じながら名護屋城の見どころを気軽に楽しめるコースです。

● 屏風絵めぐり
開催日時:23日(日)11:30~12:20、24日(月・祝)9:30~10:20
料金:500円(名護屋城跡観光案内所にて当日受付・支払)
定員:各回20名
「肥前名護屋城図屏風」に描かれた城下の跡を散策するコース。山里丸や草庵茶室跡など、かつて天下人・秀吉が暮らし、茶の湯を楽しんだ場所を巡り、秀吉の足跡を辿る歴史散策をお楽しみいただけます。
● 太閤道散策ツアー
開催日時:23日(日)9:30~15:30 ※随時受付。所要時間75分程度(往復)
料金:200円(大手口会場内の名豊塾ブースにて当日受付・支払)
定員:各回15名
約430年前に、全国の諸大名の軍勢が名護屋城を目指して通った太閤道。部分的に当時の面影を残し、複数の陣跡沿いを通る全長約16kmの太閤道のうち名護屋城を起点とした1.1kmをガイドの解説を交えながら散策するツアーです。
名護屋城は、戦国の終焉と近世の幕開けが交錯する場所。
ぜひ、お城EXPOのトークで学び、ツアーで実際の空気を感じ取ってください。
執筆/城びと編集部 画像提供/佐賀県文化課











