2025/03/11
【日本城郭協会 加藤理文先生と行く倭城3日間】参加レポート

2025年2月14日(金)~16日(日)、(公財)日本城郭協会の会員向け特別企画「倭城探訪の旅」が開催されました。協会理事の加藤理文先生によるガイドで韓国の倭城をめぐるもので、定員がすぐにいっぱいになったそうです。るんるんで参加した城びと編集部員のレポートをご覧ください!
今回2/14(金)~2/16(日)に行われた【日本城郭協会 加藤理文先生と行く倭城3日間】に参加した城びと編集部員の佐々木です! 3日間の様子をレポートしていきたいと思います。
【特別企画 倭城探訪の旅の詳細】
期間:2025年2月14日(金)~2月16日(日)現地2泊
日程:2月14日 成田空港発、釜山空港着 亀浦倭城見学
2月15日 蔚山倭城見学 西生浦倭城見学 林浪浦倭城見学
2月16日 熊川倭城見学 安骨浦倭城見学 釜山空港発、成田空港着
旅行企画:公益財団法人日本城郭協会、旅行手配:クラブツーリズム株式会社
倭城(わじょう)とは?
豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)の際に、朝鮮半島南岸に秀吉軍の拠点として築かれた城郭を指します。現在約30箇所確認されています。
韓国に着いて早々お城へGO!
倭城ツアー初日の14日、金海国際空港に到着した私たち。行きたいのはやっぱりお城!
ということで空港に着いた足そのままに亀浦城(クポウェソン)見学へ向かいました。
亀浦城(クポウェソン)

亀浦城は、文禄2年(1593)小早川隆景らによって築かれたとされています。
現地に行ってみると城跡が公園として整備されており、現地の方もお散歩等されていました。
加藤先生の注目ポイントとしては石垣の角度!
角度によって築城の時期が解り、この石垣が積まれたのは文禄の際とのことです。

これ、この角度です!
また石垣の隅角が落ちているのは撤退の際に破城(お城の取り壊し)の名残りなんだとか。

欠けてますねえ、見事に欠けてますねえ
2日目はどっぷり倭城!
2日目の15日には蔚山城(ウルサンウェソン)、西生浦城(ソセンポウェソン)、林浪浦城(イムランポウェソン)の3城に行きました!
蔚山城(ウルサンウェソン)
蔚山城は、慶長2年(1597)に加藤清正、毛利秀元、浅野幸長らによって築かれたとされます。
加藤清正が籠城戦を行った城として有名であり、現地にはその様子を記した石碑も残っています。

ハングル読めませんが、きっと解説のはず…!
当時の石垣も残っていつつ、一部は韓国側で修理した様子等が見受けられました。
こうやって見ると石の色や積み方の違いで一目瞭然だなぁと思いました。

明らかに色や積み方が違う!
西生浦城(ソセンポウェソン)
西生浦城は、文禄2年(1593)に加藤清正によって築かれたとされます。
まず現地に行って驚いたのは圧倒的な登り石垣!!

見よ、この迫力!!
山頂まで続いているそのスケール感にただただ圧倒されてしまいました…。
加藤先生曰く、立石を組み込んだこの石垣の積み方は、文禄の清正の特徴とのことです。

登城していき大手門跡を通ると、なんとそこには鏡石が!!

国外での戦いの拠点として築かれた城に鏡石があるのもなんだか不思議な話だなぁと思いました。
林浪浦城(イムランポウェソン)
林浪浦城は、文禄2年(1593)に毛利吉成らによって築かれたとされます。

他の倭城と比べるとコンパクトなお城でしたが、しっかり石垣や堀切の跡もあり見ごたえは十分にありました!!

1日で3つのお城を回りましたが、まだまだ足りない…
そんな私たちのため、本来予定は無かったですが、特別に機張邑城(キジャンウプソン)も見ることができました! 日本式の築城方法との違いを感じ勉強になりました。
機張邑城(キジャンウプソン)
機張邑城は、機張邑城は1452年以降に築造されたとされ、2017年より数回発掘調査が行われているとされています。

最終日もギリギリまで倭城!
最終日の16日も熊川城(ウンチョンウェソン)、安骨浦城(アンゴルポウェソン)と、飛行機に乗るギリギリまでお城を堪能することができました!
熊川城(ウンチョンウェソン)
熊川城は、文禄2年(1593)に小早川隆景、上杉景勝、小西行長によって築かれたとされます。

山頂まで続く登り石垣等、西生浦城と似たような部分があり、朝鮮出兵時に最前線を任されていた加藤清正と小西行長の当時の様子を伺うことができました!
安骨浦城(アンゴルポウェソン)
安骨浦城は、文禄2年(1593)に九鬼嘉隆、加藤嘉明、脇坂安治によって築かれたとされます。

安骨浦城の特徴として、一つのお城の中に九鬼嘉隆、加藤嘉明、脇坂安治それぞれが縄張りを築いていた跡が見られました!
ただそれぞれの縄張りが誰のものかは解っていないとのこと…
また、他の倭城も同様ですが、海岸に面しており戦略的に非常に重要な場所であったことを伺うことができました。

今回の【日本城郭協会 加藤理文先生と行く倭城3日間】、まさにお城尽くしの3日間となっており、非常に大満足のツアーでした!!!
今回行った倭城は釜山の北側にある倭城がメインとなっています。第2回開催の折には是非他の倭城も見られればと思います!!!
執筆・写真/城びと編集部