戦国10大合戦と城|小和田哲男 第3回 桶狭間の戦い

永禄3年(1560)5月19日桶狭間の戦いは、わずか2000ないし3000の織田信長が2万5000の大軍を擁する今川義元を破った戦いとして知られている。奇襲戦の典型ともいえる戦いで、城が直接関係したようにはみえない。しかし、戦いそのものの発端は城にあった。
江戸時代以来、このときの義元の出陣は上洛のためというのが定説とされてきた。ところが、その後の研究で上洛説は否定され、別な考え方が提起されている。

たとえば、三河まで確保するためだったとする説、この際、尾張を奪取してしまおうと考えていたとする説のほか、「織田方砦封鎖解除」説といったものもある。これは具体的にいうと、

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