理文先生のお城NEWS解説 第23回 天守復元の新基準1

平成3年(1991)に設けられた、天守等の復元に対する基準は史実に忠実な復元しか示していませんでした。当然のことですが、復元に関する資料が不十分だと史跡の現状変更に必要な文化庁の許可が下りないため、図面が残っていない城は、復元の検討すら出来ない状態だったのです。そのため、懸賞金を付けて、古写真や図面を探す自治体が後を絶ちませんでした。

自治体からは「厳しすぎる」との指摘もあり、また昭和30年代の城郭再建ブームの中、鉄筋コンクリート(RC)造で築かれた全国各地の天守の老朽化が進み、建て替えを検討する自治体が増えてきたことに対する配慮もあり、今回新たな基準が示されました。

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