戦国武将と城|小和田哲男 <織田信長と城>第1回 信長生誕地は那古野城か勝幡城か

今回から、織田信長と城とのかかわりについてみていきたい。信長の誕生が天文3年(1534)であることは各種史料が一致していて問題はない。ところが、どこで生まれたのかについては説が分かれているのである。といっても、通説というか、定説となっているのは那古野(なごや)城説で、もう一つの勝幡(しょばた)城説というのは、どちらかといえば、最近になって浮上してきた説といってよい。たとえば、権威ある『国史大辞典』の織田信長の項(今井林太郎氏執筆)には、「幼名を吉法師といい、天文3年(1534)尾張那古野城に生まれる」としており、また、阿部猛・西村圭子編『戦国人名事典』も「尾張那古野で誕生」と記されている。

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