城:縄張から普請まで|加藤理文 織田信長の城・安土城 第2回 | 石垣の普請

安土城普請は、石垣と天主築造を第一にすることが信長の厳命であった。石垣を建物の基礎とする我が国初の難工事が開始された。石垣石材の大半は、安土山で産出する湖東流紋岩が使用されている。全体の9割強が「野面積」と呼ばれる自然の石を積み上げた石垣で、石材同士の隙間には、小型の自然石を利用し、丁寧に間詰めされた。『信長公記』には「安土山の大石で、石垣を築き始めた」、「観音寺山・長命寺山・長光寺山(近江八幡市)・伊庭山(東近江市)など、諸所の大石を引き下ろし、これを千人とか2千人、あるいは3千人がかりで安土山に引き上げた」と記録される。

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