2025/12/01
第24回「城の自由研究コンテスト」結果発表！
今夏、作品を募集していた第24回「城の自由研究コンテスト」の受賞者が発表されました。寄せられた多くの力作から選ばれたのは、果たしてどんな研究でしょうか？
「城の自由研究コンテスト」とは？
子どもたちが「城」をテーマに探訪、調査、研究を重ねていく過程で、地域の歴史・文化に親しみ、主体的に学ぶ力を養う目的に、公益財団法人日本城郭協会が行っているコンテストです。学校の夏休み時期に合わせて作品を募集し、11月に結果発表、12月のお城イベント「お城EXPO」で表彰式及び関連講演会が開催されます。
小学生部門、中学生部門に分かれ、それぞれに文部科学大臣賞、日本城郭協会賞、ワン・パブリッシング賞、審査員特別賞、優秀賞、佳作、団体賞（学校賞）が設けられており、2025年で24回を数えます。
▶「城の自由研究コンテスト」詳細は、日本城郭協会HPをご覧ください。
2025年の受賞者一覧発表！
2025年11月26日に、城郭協会から受賞者の発表がありました。受賞理由と合わせてご紹介します。
【小学生の部】
・文部科学大臣賞
各務日乃さん「世田谷城廃城新説等価交換説を立てる」東京学芸大学附属世田谷小学校5年/東京都
【受賞理由】
小田原合戦後、世田谷城を接収したのは誰かという一級資料が残らない謎に挑み、AI、へうげもの、秀吉の禁制を使うだけでなく、現地踏査を実施しまとめていく手法は見事です。等価交換説まで結論付けるまでの道筋が、大変良くまとめられています。
・日本城郭協会賞
山田 尊さん「岡城 かまぼこ石の謎に迫る！」大分市立碩田学園５年／大分県
【受賞理由】
かまぼこ石が、なぜ岡城だけにあるのかに疑問を持ち、手すり説が本当かなどを、絵図や文献、現物を調べるだけでなく、領内そして他城の事例を良く調べることが出来ました。結論を導く方法や、まとめ方も大変良かったと思います。
・ワン・パブリッシング賞
鈴木智哉さん「だいすきな「みはるじょう」～おふろのだいはっけん～」三春町立三春小学校１年／福島県
【受賞理由】
地元の三春城に興味を持って、三つの特色に気付き、特に「お風呂」について調べたのは、小学校1年生らしい楽しい発想だと感じました。全国11城に手紙を出して、調べたことは、小学校1年生とは思えなく、とても良かったと思います。
【中学生の部】
・文部科学大臣賞
足立晴音さん「道庭城の謎は伝説へ」四谷インターナショナルスクール中等部３年/埼玉県
【受賞理由】
道庭城についての一連の研究の最終的なまとめでした。地形図や街道の位置等の特色から城の場所や立地に迫り、古文書や地誌・様々な資料から「道庭御前」を導き出し、女性相続の鎌倉時代に、境界線や関・市場などを監視している時代に特定できたプロセスを評価しました。
・日本城郭協会賞
坂下もなみさん「父への挑戦状 安土城の八角形天主の謎」埼玉大学教育学部附属中学校３年/埼玉県
【受賞理由】
安土城の上から二重目が八角形であることについて、なぜ八角形が採用されたのかを、様々史料を用いて検証し、さらに同時代の天守建築と比較するなどして、上手くまとめることが出来ました。
・ワン・パブリッシング賞
市毛愛理さん「岡城と豊前五城はなぜ築かれた？～緒方三郎惟栄の真の意図～」横浜市立本牧中学校３年／神奈川県
【受賞理由】
岡城と豊前五城について、なぜ緒方惟栄は、ここに築城したのかについて、まとめようとした論考でした。城に対する検証より、緒方惟栄の事績と鎌倉期の歴史が中心となり、岡城と豊前五城の現地踏査を実施したものの、手を広げすぎた感があるのが、ちょっと残念に感じた。
・審査員特別賞
鵜飼 壮さん「城と太平洋戦争～城は守られていたのか～」一宮市立萩原中学校２年／愛知県
【受賞理由】
昨年度に引き続き、太平洋戦争時に城は守られたかについて、全国的な事例を丁寧に調べ、上手くまとめることが出来ています。巻末のリストも良く調べ上げていました。結論として、城は守られていなかったとしていますが、戦争を二度と引き起こさないようにという思いをしっかりまとめることが出来ました。
審査員の先生方！
「お城EXPO 2025」で作品が展示されます！
毎年この展示を目的に来城する方多数！
2025年12月20日（土）・21日（日）横浜パシフィコノース等で開催される「お城EXPO 2025」で受賞作品が展示されます。力作をじっくりご覧あれ！
昨年のトークショーの様子
また、21日（日）15:00～17:00 横浜パシフィコノース３F日本城郭協会セミナールームにて、表彰式および審査員の先生方による特別トークショーが行われます（観覧無料。別途入城料あり）。ぜひ、お立ち寄りください。
「お城EXPO 2025」詳細は公式HP をご覧ください。
執筆／城びと編集部
