城と光秀|小和田哲男 第12回 安土城内に明智光秀邸はあったか

織田信長の居城だった安土城(滋賀県)に、信長の子や側近および重臣たちが屋敷を構えていたことは、江戸時代のはじめ、信長の100回忌を機に、貞享4年(1687)に描かれたとされる「近江国蒲生郡安土古城図」に記され、現在、その場所にそのことを記す石碑もある。

ただし、「近江国蒲生郡安土古城図」(以下、「貞享古図」と略称)に描かれた羽柴秀吉邸・前田利家邸などは、本当にそうなのかと疑問視する声があがっており、羽柴秀吉邸といわれるところは、むしろ、信長の居館があったところではないかという研究者もおり、「貞享古図」そのものに疑義が生じている。

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