江戸城のすべて(萩原さちこ) 江戸城の石垣(3)江戸城内に残る、刻印石

江戸城内でも、刻印石はたくさん見られます。いろいろなマークを探し歩くのは宝探しのようで、それをヒントに築造の真実を探るのは、探偵さながらの楽しさがあります。

たとえば、外桜田門周辺でいくつか見られる分銅紋は堀尾家のもの。ほか、小槌の刻印は加藤家、角石に刻まれた「卍」紋は蜂須賀家のものです。「○」に「八」の字を書いた丸八印は、名古屋市の市章になっている尾張徳川家の合印。必ずしも大名を特定できるものではなく、たとえば清水門にはひとつの石に3つの刻印が入ったものもあります。採石、加工、築造とさまざまな段階で加えられていった可能性もありますが、よくわかりません。

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