江戸城のすべて(萩原さちこ) 江戸城の天守(2)〜家光が築いた日本最大級の天守〜

元和天守の完成からわずか15年後の寛永14年(1637)、3代・家光により寛永天守の造営が開始されました。元和天守を取り壊して天守を新築したのは、家光が自身の権威を印象づけ、徳川将軍家の盤石の地位を視覚化する意図があったとも考えられます。この頃には、江戸城天守は城の象徴ではなく、将軍の象徴だったのかもしれません。
『寛永度御本丸大奥惣絵図』、『江戸城御本丸御表御中奥御大奥総絵図』(ともに東京都立中央図書館蔵)などでは、天守は本丸の北側にあり、天守台と小天守台が南北に連なって描かれています。

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