村上信五&関西ジャニーズJr.の大名行列、大阪城トークショーも!「大阪城夢祭」レポート①

2022年は大阪城の天守閣復興90周年の節目の年! ということで、10月15日(土)~10月23日(日)の9日間、大阪城にて記念イベント「大阪城夢祭」が開催されました。大阪出身地元大好き編集部員が、最終日に潜入し、イベントの模様をレポートします! 内容の濃さと編集部員の大阪愛が炸裂し、とても1回では収まらず、前後編でお届け。前編では関ジャニ∞の村上信五さんと関西ジャニーズJr.総勢約50名による大名行列(!)や、大阪城の謎に迫るトークショーをご紹介します! ※初回公開2022年10月26日 2022年11月10日追記

「大阪城夢祭」って?

大阪城天守閣復興90周年を記念して、10月15日(土)~10月23日(日)の9日間(「9」0周年にちなんでいる!?)大阪城で開催されたイベント。大阪にゆかりのあるアーティストのライブや「食」「笑」など大阪を代表する名物を楽しめる「大阪楽市楽座」、城内の15以上のポイントをめぐってクイズに答える「歴史をたどる大阪城ぐるっとラリー」、さらに大阪城天守閣の特別展で豊臣秀吉直筆の辞世の和歌の特別公開など、歴史好きはもちろん、さまざまな方が大阪城を楽しめる内容でした。

▼イベント公式サイトはこちら!
大阪城天守閣復興90周年記念事業「大阪城夢祭」

大阪城夢祭 楽市楽座
太陽の広場で開催された「楽市楽座」。天守閣が見守ってくれています。まるで城下町のよう

村上信五さんが城主に扮して練り歩く!迫力の「大名行列パレード」

編集部員がお邪魔したのはイベント最終日となる23日(日)。大阪城主に扮した関ジャニ∞の村上信五さんと関西ジャニーズJr.の皆さんの総勢50名以上で大阪城内を練り歩くという「大名行列」で幕を開けました。
村上信五さんの甲冑をまとった姿が凛々しい! 関西ジャニーズJr.の方々も陣羽織などに身を包み、大手門から多門櫓、豊国神社など大阪城を語る上で欠かせない要所要所でちょっとしたトークなどを行いながら、大阪城の天守閣前ステージを目指して練り歩きます。

村上信五&関西ジャニーズJr.の大名行列

この令和の世に、甲冑を着た大名を取り囲んで旗指物や毛槍を持って約50名の人数が練り歩く姿は壮観の一言!
ちなみに村上信五「城主」、まわりの関西ジャニーズJr.の方や行列を見届けるファンの方にもとても気さくに話しかけていらっしゃいました。こんなに親しみやすい城主、最高ですよね!

千穐楽イベントでは市長も駆けつけ、みんなで勝ち鬨!

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天守閣前には特設ステージが!

30分ほどかけて天守閣前広場の特設ステージに到着した行列を迎えたのは、大阪市の松井一郎市長とお笑い芸人のブラックマヨネーズの小杉竜一さん・吉田敬さん!
実は大名行列の最中から「大阪城夢祭」の千穐楽イベントがはじまっており、松井市長たちは行列の到着を今か今かと待っていたのです。烏帽子姿の松井市長と甲冑姿の村上さんが並ぶと時代を錯覚してしまいそう。

ブラックマヨネーズ小杉竜一さん「大名行列、いかがしたか?」
関ジャニ∞村上信五さん「壮観かつコンサートでは見れない、また一味も二味も違う景色。歩いてくるときに大坂城の天守閣が桜門の画角中に絵画のごとく見えるんです。これは歩かせていただかないと見られない特別な景色でした」

松井市長より、感謝の気持ちとこれからも大阪を盛り上げてほしいとの思いから、村上さんに豊臣秀吉の千成瓢箪の馬印が進呈される段になると、「ここは安寧の時代に入った江戸時代か…」と脳内タイムスリップをしている気持ちに。村上さんも最初は恐縮されながらも、受け取ると「気持ちいい!」と満面の笑顔。「東京に持って帰ってな」「新幹線別料金払わなあかんやん!」と、共演経験のあるブラックマヨネーズさんと村上さん、そして松井市長は軽快なトークを繰り広げ、会場を大いにわかせていました。このあたりも大阪らしい!

大名行列にはなんと8000人もの方が応援に駆けつけ、オープニングイベントだけでなく千穐楽イベントともに晴天に恵まれるなど、人にも天候にも恵まれた村上城主と大阪城夢祭でした。

また村上さんと共に大名行列に参加した関西ジャニーズJr.の各グループからも、大阪城やイベントに関する感想をいただきました。

Aぇ! group 正門良規さん「(今回の参加にあたり)大阪城について勉強したら知らないこともたくさんあったので、これを機に魅力を発信していきたい」
Lil かんさい 嶋﨑斗亜さん「夜は(関西ジャニーズJr.の)コンサートもありますので、(大阪城夢祭で)最高に楽しい思い出を作ってもらえたら」
Boys be  伊藤篤志さん「昨日の野外コンサートでも、大阪城が見守ってくれた」
AmBitious 真弓孟之さん「大阪城みたいに、大阪を盛り上げていきたい」

ブラックマヨネーズ吉田さんも、「何回来ても発見あるよな大阪城」と大阪城の魅力を語りつつ、「昨日ライブの後お母さんなんて言うてた?」「村上君に直してほしいところは?」などジャニーズJr.のメンバーをいじっていきます。これが関西のやり方だ!(誉め言葉)

村上さん「(真弓さんは)東西合わせたジャニーズJr.で唯一俺に憧れているJr.でして」
小杉さん「胸張って言うことと違う!」
吉田さん「どういうところに憧れてるん?」
真弓さん「やっぱりバラエティの神様であり、ステージに立ったらギャップもあり…」
吉田さん「ステージの方をギャップ言うてるやん」
村上さん「順番がおかしい!ステージが最初やから!」
関西らしい爆笑を誘うやりとりも。令和の大阪城主、もしかしたら真弓さんが2代目になるのかも…!?

最後は村上城主の「えいえいおー」の勝ち鬨で、千穐楽イベントは幕を閉じました。

大阪城主となった村上信五さんとAぇ!groupが天守閣から手を振る
天守閣に登って手を振る村上信五さんと、関西ジャニーズJr.のAぇ! group

また、大阪城は豊臣も徳川もゆかりが深い!ということで、お城や歴史メディアの城びとは村上信五さんにこんな質問をさせていただきました…!
「武将の名言について、有名なホトトギスの句だと村上さんはどなたの句がお好みですか?」
「そうですね、やっぱり徳川家康さん寄りですかね。信長さんのは今の時代コンプライアンスにひっかかりますし、やはり家康公の先を見る目は凄かったんだろうなと」

武将に対してまさかの「コンプライアンス遵守」で笑いを取りつつ、家康の「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」を挙げてくださった村上さん。粘り強く辛抱強く、かつ人々の平和のために努力を重ねた徳川家康は、多くの人に笑顔という平和をもたらす村上さんにぴったりだなと編集部員は思ったのでした。

ちなみに、関西ジャニーズJr.の嶋﨑斗亜さんや伊藤篤志さんが触れていた「コンサート」とは、大阪城西の丸庭園で22日(土)・23日(日)に行われた「関西ジャニーズJr. DREAM LIVE 2022」のこと。23日(日)はオンライン配信チケットも販売されていたので、編集部員もお家で楽しみました。大阪城が淡く光り見守ってくれる中のライブ、その名の通り夢のひとときでした…。関西で活躍されているからこそ関西ジャニーズJr.の皆さんはこんな素敵なステージに立てたこと、とても感慨深かったとのではないかと思います。

お城ビギナーもツワモノも楽しめる!「大阪城の謎に迫る歴史トークショー」

午後には、大阪城の歴史を中心に楽しく学べるトークショーが開催されました。ブラックマヨネーズさんをMCに、村上信五さん、歴史コメンテーターの金谷俊一郎さん、大阪城天守閣館長の宮本裕次さんが登壇!

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初めに村上さん、金谷さん、宮本館長が大阪城にまつわる思い出や今日の意気込みを披露!

村上さん「初めてジャニーさんと会ったオーディションが大阪城ホールだったんですよ」
金谷さん「大阪の方は大阪城を『コンクリやし』って謙遜するけれど、鉄筋コンクリートだからこそすごいという点もある。その点をわかってもらえると(嬉しい)」
宮本館長「皆さんの興味のある豊臣時代だけではなく、徳川時代のあまり知られてない話もできれば」

そして、本題は「大阪城の知られざる魅力」として、豊臣秀吉が天正11年(1583)に「大坂城」を築城し、後にその上に徳川秀忠が「大阪城」を築城したことの紹介から始まりました(実は大阪人でも知らない人が多い!)。

空襲で焼ける前の大阪城の写真、また地下に埋められていた豊臣時代の石垣の写真など、貴重な資料や城内の写真を投影しながら軽快にトークが進みます。

金谷さん「豊臣秀吉が建てた大坂城は30年で大坂夏の陣でなくなってしまいます。その上に徳川さんが作ったのですが雷で焼けてしまって、再建されて90年経っている」
吉田さん「? 秀吉さん(大坂城)建てましたよね? 埋めたってこと?」
村上さん「争って、徳川が優勢になって、『勝ちや!豊臣終わりや!』いうてドンガラガッシャーンって」
金谷さん「そのあとの跡地をなくして、もっとすごいのを徳川が作った」
宮本館長「まず徳川の歴史があることを知ってもらいたいです」

大坂城
この下に豊臣の石垣が眠っている…?

また、戦争の空襲に耐えた跡が石垣に残っている!という話題も。
宮本館長「実は空襲でいろんなところに爆弾が落ち、傷んだところがあります。天守閣の近くの天守台を見ても少なくとも2つの爆弾が落ちて、よくよく見ると『あ、ここやられたな』と見えるところが山里丸のところにあります。石の表面が放射状にえぐられているところが残っています」

吉田さん、小杉さんはビギナー目線でどんどん質問をしていきます。ありがたい。
それに応えるように、面白さを伝えようと熱を込めて話す村上さん、金谷さん。

吉田さん「なんで徳川さんは建て直してくれたん?」
村上さん「諸説あるんですよね? 権力、『俺のほうが力あるんやで』っていう意味合いもあるんじゃないかとか。本当のところはわからない。それが歴史のロマンかと」
さらに村上さんは続けます。
「豊臣側からすると(城が破壊されたことなどは)とてつもない思い(だったと思う)、でも徳川側からすると権威の象徴であったり、複雑な思いとしがらみがあるのが大阪城の魅力のひとつではないかと」

歴史トークショー 村上信五さん
関ジャニ∞の村上信五さん

その後、豊臣の石垣を徳川が埋める話では
吉田さん「今僕らが見てるあの大阪城の石垣は、徳川式ってこと?」
宮本館長「江戸時代に徳川さんが各地の大名を使ってつくらせた石垣。だからすごくお金かかってる。全然違うんですよ。」「積み方も近代的になって、さらに地下に埋めて…という」

歴史トークショー 大阪城天守閣宮本館長
大阪城天守閣館長の宮本裕次さん

そのほか、蛸石についての大きさや運搬時の苦労話などが続きます。

大坂城、蛸石
大阪城の蛸石。日本のお城の中でも最大! 中之島の近くなどに運びきれずに石を落としてしまったというエピソードも

村上さん「秀吉の息子、秀頼の碑なんですけど、この人一回も出陣できないまま23で亡くなっているんですけど、遺体見つかってないんですよね?」
金谷さん「秀頼、首のない遺体が見つかってて」
村上さん「亡くなったんだろうとされてはいるけど、証拠がないんですよね。影武者がいたのかもしれないという説もあるし、部下に逃がされたのかもしれないし」
宮本館長「九州に逃れたんじゃないかという説もあります」
金谷さん「影武者立てるのも難しく…196cm、160㎏くらいと言われてるので」
小杉さん「そんなでかい人いたの!?」 
吉田さん「でもそれなら首なくても間違いないやん」
宮本館長「でももしかしたら、いたのかも」
村上さん「似たような人がいて、万が一何かのためにとか…」
吉田さん「背を高い人を太らせてとか…!? これ話尽きないね!」
村上さん「尽きないでしょ!?」
お三方のアツい歴史トークに、MCのブラックマヨネーズのお二人にも、お城や歴史のロマンが伝わった瞬間でした…! 観覧の方からも、笑いと感心しているような声がちらほら聞こえてきました。

「天守閣の所蔵品から見る大阪城」では、村上さんが大阪城天守閣の貴重な史料を見て回る事前に撮影された映像が流されました。今回の「大阪城夢祭」で特別公開された「豊臣秀吉直筆の辞世の和歌」の紹介や、普段は非公開の「大坂夏の陣図屏風」の実物と村上さんがご対面というワンシーンも!

村上さん「教科書で学んでいたものを目の当たりにすると、感じ方が変わりますよね」

そんなお宝と対面した映像を見た後は、各史料を細かく読み解いていきます。
トークショーの「謎」というだけあって、はっきりとわかっていないことをいろんな視点・解釈でディスカッションをしていきます。

大阪城主となった村上信五さんとAぇ!groupが天守閣から手を振る
「大阪城夢祭」で限定公開された 「豊臣秀吉直筆の辞世の和歌」

このトークショーの日で見納めとなる辞世の和歌。(重要な文化財は一度展示したらお休み期間を設けないといけないそう)

宮本館長「辞世…と聞くと死ぬ間際をイメージしますが、身分の高い人のたしなみにとして、命をいつ落とすかわからない戦場で、事前にある程度書いておく。秀吉は天下取りに至る絶頂期に書いたといわれているのが面白いところかなと」
村上さん「死生観が我々と違いますね」
金谷さん「私はポジティブにとらえていて、身分の低いところからなにわで天下を取って、最後は一人で死んでいくから露のように消えてしまう。なにわに夢見せてもらっておおきに、という意味もあるのかなと」
 
歴史トークショー コメンテーター金谷さん
歴史コメンテーター・金谷俊一郎さん

宮本館長が、武士に共通した気持ちを抱き続けたのではないか、またこの歌の実物もしくは下書きを秀頼が知っているのではないか、と言うと
村上さん「一発本番で書いてると思ってたけど下書きがあるってことは、リハしてたってことですよ」
小杉さん「リハのDVD持ってたってこと? 激アツやん」
会場からも笑いが起こります。ちょっと難しいことをMCのブラックマヨネーズさんが身近な形でたとえてくれてわかりやすい!

また、重要文化財である「大坂夏の陣図屏風」については
金谷さん「中心に敵である、しかも負けたほうの真田が描かれているのが普通の屏風だとありえない」
村上さん「実物を見ても、結構真田に目が行ってしまう」
といったように、注目すべき点を教えてくれるのがありがたいですね!

さらに豊臣秀頼が屏風に描かれてない理由は戦場に出向かなかったという風刺なのか、貴人なので謙遜して描くのを避けたのか…など様々な説があることが宮本館長から紹介されました。

ブラックマヨネーズのお二人の質問やボケやつっこみに爆笑や拍手がわきあがる中、テーマ通り「大阪城の謎」についてさまざまな視点から初心者にもわかりやすく繰り広げられたトークショー。1時間とは思えない濃密な時間でした!

大阪城の謎に迫って歴史への興味が高まったところで…大阪城天守閣の学芸員さんに、天守閣の特別展示についてもインタビューをさせていただきました。
その模様はまた後日お伝えいたします。そのほかにもお伝えしたいことがある!ということで、まだまだレポートは続きます。どうぞお楽しみに!

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画像・執筆/城びと編集部

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