2022/12/30
お城を楽しく研究する「城ラボ by 城びと」 お城ファンの気分が上がる!お城スイーツ研究 武将へのバレンタイン献上スイーツ編
好きなこととお城を結び付けたい城ラボ by 城びと主任研究員たち。今回のテーマは「お城×スイーツ」。スイーツとお城を掛け合わせて、お城好きが満足できる何かができないか研究します。せっかくなので織田信長へ献上するバレンタインスイーツも作っちゃいます!
久保井「少し早いけどバレンタインもお城ファンならではの研究ができないかな。スイーツとお城をからめたら楽しいかなと」
いなもと「天守とか石垣の形のチョコレート? チョコに限らずクッキーとかケーキとか、好きな人や友達にバレンタインにプレゼントするのにぴったりなお城スイーツを考えてみるのはどうかな?」
久保井「面白そう! 実際に作ってみる?」
いなもと「いいね! でも私、お菓子作りって苦手…」
久保井「苦手な人や普段作らない人もチャレンジできるお城スイーツを考えよう」
いなもと「色々作って、アフタヌーンティーもいいね。お城ヌン活したい〜」
そんなこんなで、今回は、お城もスイーツを食べるのも大好きな私たちが、ぜひプレゼントしたいお城スイーツを考えます!
お城に興味を持ってもらえる!?五稜郭バスクチーズケーキの巻
久保井「プレゼントした時に、お城の会話が生まれるようなケーキを作りたいんだよね」
いなもと「いいね! デコレーションでお城スイーツとか?」
久保井「『おいしくて可愛くて、そして実はお城』っていうスイーツにしたい」
いなもと「ケーキって作ったことあまりないんだけど、初心者にもできるのがいいな」
久保井「うーーん、あ! バスクチーズケーキ!」
いなもと「え! 作れるの?」
久保井「うん! 実は簡単にできるの。バスクチーズケーキをお城ケーキにしよう」
ということで、バレンタインお城スイーツの前に、『お城の話が自然にできるバスクチーズケーキ』を作ります!
バスクチーズケーキとは、スペインバスク地方発祥のチーズケーキです。材料が少なく簡単なのに低コストで美味しいという高パフォーマンスさが魅力! 私史上、最もコスパが良いスイーツなのです!
材料はこちら。
<直径12センチの丸型1台分(4号サイズ)>
クリームチーズ 200グラム
卵 2個
砂糖 60グラム
生クリーム 100cc
以下は、なくてもOKです。
米粉 小さじ1(生地がまとまります。なめらかな食感が好きな方は入れない方が良いです)
レモン汁 数滴(爽やかな風味になります。)
1)クッキングシートを水で濡らして絞り、型に敷き詰めます。
型を使ったケーキ作りによくある、クッキングシートを型に合わせて切って、バターを付けて、型に貼る、というような手間がかからないので楽です。
2)クリームチーズがクリーム状になるまで練ります。冷たいと混ぜにくいので、常温に戻すか電子レンジで30秒ほど温めると良いです。
3)溶き卵を加えて混ぜます。
卵は一気に入れると混ざりにくいので、3回くらいに分けて入れ、その都度混ぜるのがオススメです。
4)砂糖、(入れる方は米粉)、生クリームの順番で、加えてよく混ぜます。
お好みで最後にレモン果汁を数滴入れても良いです。
5)型に生地を流し込み、250℃に予熱したオーブンで30分ほど焼きます。
焼けたら冷やして、デコレーションをすれば、完成。
というのがいつものバスクチーズケーキですが、今回作るのはお城スイーツ。
バスクチーズケーキは黒い表面が特徴。真っ黒なキャンバスに、天守を描いたり、家紋を描いたり、想像は膨らみます。
チョコペンで徳川家の三つ葉葵を描けないかな?などハードルが高いことを考えていましたが、三つ葉葵はやっぱり難しく…
結局どうやって「お城の話が自然にできるケーキ」にしたのかは、後編で発表!
信長さまへ「バレンタイン献上スイーツ」の巻
バレンタインは恋人や家族など、大切な人に贈り物をするのがならわしだそうです。
いなもと「もし、戦国時代にバレンタインの風習が伝わったらどうなるかな?」
久保井「織田信長は面白いって興味を持ちそう! 何を献上したら喜ばれると思う?」
いなもと「ある資料によると、信長は干し柿が好きだったんだって」
久保井「干し柿をアレンジして、バレンタイン献上スイーツを作ってみよう!」
いなもと「まずかったら切り捨てられるかも…」
久保井「!!!」
織田信長が食べ慣れた干し柿の違う一面に感動するようなアレンジをしたい!
ということで「信長様へのバレンタイン献上干し柿スイーツづくり」スタートです。
●「甘×苦」チョコ柿●
バレンタインといえば、やっぱりチョコレート。
干し柿が甘いので、苦味がある高カカオチョコレートを合わせることにしました。
チョコレートを湯煎で溶かし、干し柿を浸すだけ。簡単!
外はチョコでパリッと、中は干し柿の柔らかさ、という食感のコントラストも楽しめそうです。
いなもと「チョコレートが発見されたのは16世紀。織田信長とほぼ同期!」
●「甘×香」抹茶あん柿●
戦国武将は茶の湯をたしなんでいたから、抹茶もお口に合うのでは?
白あんと抹茶を混ぜて、抹茶のあんこを作ります。
干し柿のヘタを切り、スプーンやフォークで中の種を出し、抹茶のあんこを詰めます。
最後にきな粉をまぶして、できあがり。
鼻に抜ける抹茶の香りが良い、和スイーツになりました。
信長が好きな干し柿と抹茶の組み合わせ、気に入っていただけるはず。
●「甘×塩」チーズ柿●
変な先入観を持たず、新しいものを積極的に取り入れていた信長は、意外性がある組み合わせも好きそう!(もはや勝手な妄想が止まりません。)
バスクチーズケーキの材料のクリームチーズが余っているから、入れてみます!
干し柿を開いて種を取り除き、クリームチーズをのせます。
巻きます。
あとは、好みの大きさに切るだけです。
甘さにクリームチーズの塩味と酸味が良いバランス。干し柿は甘すぎるという方も食べやすいかも。
お酒にも合うと思いますよ。
こうして三様の「信長様献上バレンタイン干し柿スイーツ」ができました。完成品は後編で大公開!
信長さまへ献上する刺激的なスイーツ「七味チョコレート」の巻
久保井「織田信長って新しいことが好きなイメージだから、甘さの中に辛さがある刺激的なスイーツはどうかな?」
辛いといえば、唐辛子。
目の前にあった、チョコレートと七味唐辛子を使ってもう1品作ってみます。
作り方はとっても簡単!
溶かしたチョコレートに七味唐辛子を混ぜて、型に流して冷蔵庫で固めるだけです。
いなもと「七味唐辛子はひとつまみ?」
久保井「うん…あ、でもやっぱりもうひとつまみ入れちゃおう」
いなもと「やりすぎると切り捨てられるかも(笑)」
久保井「!!!」
織田信長といえば鉄砲です。
まん丸の型に入れて、鉄砲玉のような見た目にしました。
気になる完成品は、やっぱり後編で!
こうしてできた織田信長へ献上するスイーツの数々。
久保井「信長さま、喜んでくださるかしら…?」
武将へのバレンタイン献上スイーツの妄想はとまりません。
後編では天守や石垣作りに挑戦します! いなもと研究員のレポートをお楽しみに!
執筆/久保井朝美(くぼいあさみ)、写真/城びと編集部
城ガール&お天気キャスター(気象予報士・防災士)。愛知県岡崎市出身。名古屋城から近い病院で生まれ、徳川家康が生誕した岡崎城のすぐ近くで育ち、お城に愛着を抱く。長野県の松本城に感動して一層お城への愛が増した。日本100名城スタンプラリーでお城めぐりの楽しさを感じ、日本100名城や続日本100名城ほか、北海道から沖縄まで全国のお城をめぐっている。日本城郭検定2級、気象予報士、防災士、漢字検定1級、チョークアートの資格などをもつ。NHK総合「サタデーウオッチ9」に気象キャスターとして出演、全国で講演会を開催。