明治時代に公にされた回顧録『旧事諮問録』などによると、将軍は決められたスケジュールで多忙な毎日を送っていたようです。将軍側近職である御側御用取次を務めた幕臣・竹本要齊の話をもとに1日を追ってみると、将軍の起床時間は明け六ツ(午前6時)。寝室は中奥の御休息之間で、起床後は小納戸と呼ばれる係が準備をし、鍋島緞通という絨毯の上で洗顔と歯磨きをします。
朝食は、御髪番に顔と月代を剃ってもらいながらとるという慌ただしいものでした。魚は毎朝、日本橋の魚河岸から献上魚が届けられていたといいます。
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