訪城数日本一の夫婦ウモ&ちえぞーに聞く城旅のコツ ②実際の計画への落とし方

夫婦二人で6000近くの城を訪れているウモ&ちえぞーさんに、城めぐりのポイントを聞く「ウモ&ちえぞーに聞く城旅のコツ」。第2回はちえぞーさんに実際に二人で行った城旅を例にあげてもらいながら、城めぐりのプランニングの仕方をうかがいました。今回訪れるのは千福城や山中城など静岡県の7城です。

中世城郭に魅了されお城の世界へ

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1日に10城以上めぐることもあるというウモ&ちえぞー夫妻。効率よく城をめぐるプランニングとは一体どんなものだろうか

前回はお城めぐりのプランニング法についてご紹介しましたが、今回は、ちえぞーが城めぐりの計画の立て方について具体例をあげながら紹介したいと思います。

その前に、ちえぞーの執筆は今回がはじめてですので、簡単に自己紹介をします。
私はもともと旅好きで、20代から全国各地を旅していました。その際、史跡もよくめぐっており、史跡の中の一つとして城跡も訪れていました。そのため、城好きになる前までに300城位は訪れていたと思います。ある時、中世城郭の遺構の存在とそれを見て楽しむ方法を知り、以来すっかりお城に魅了されています。城好きになって2年程経った頃、沢山訪れたお城を記録しておきたいと思い「ちえぞー!城行こまい」というサイトを開設し、現在に至っています。

次の段落から具体的なプランニングを説明していきますが、その前に、第1回でご紹介したプランニングの手順をおさらいしましょう。

1.お城の選定
2.マッピング
3.回る順番決め
4.タイムスケジュール決め
5.予定変更があった場合の保険!平城・丘城をチェック
6.縄張図の用意

手順はこの通りです。それでは、今年3月にまわった静岡県のお城を例にあげながら、実際のプランニングを紹介していきます。

実際、こんな風に計画を立ててます!

1.お城の選定
まずは気になっている、最近整備された等、行きたいお城をあげていきます。以前から千福城(静岡県裾野市)が整備されたらしいから再訪したいと主人と話していました。そこで、千福城とその周辺のお城へ行こうと、この方面で行きたいお城を二人であげました。候補となった城は以下の通りです。

・山中城(三島市)が芝を張り替えて綺麗になっているみたいだからここも再訪したい。
・千福城のすぐ近くだし、見応えたっぷりなので葛山城(裾野市)へも寄りたい。
・そういえば大平新城(沼津市)へは行ったことがあるけれど、尾根続きの大平古城は二人とも未訪なので行ってみようか。
・それなら狩野城(伊豆市)も公園整備されて見やすいし、遺構もちゃんとしているから、時間があったら久しぶりに行ってみよう。

2.マッピング
候補が幾つかあげたら、全て「Googleマップ」にマッピングしていきます。優先順位や城の種類などでマーカーの色を変えると見やすくなります。

マッピング、城
行きたい城を決めたら、マッッピングをして城同士の位置関係を確認

3.回る順番決め
マーカーをつけたマップを見ながら、移動効率が良い順番を大まかに決めていきます。高速のICからの位置で最初に行くお城を決め、そこから効率よい回り方を考えると、①葛山城(比高50m)、②千福城(比高30m)、③山中城、④大平新城・大平古城(比高130m)、⑤狩野城(比高100m)の順番が良い。

今回は、一番登る山で比高130mとさほど高くないし、山中城は広大だけれど何度も訪城しているためそこまで細かく見なくても良いから2時間もかからないだろうと予想し、回る順番はこのままで良いとひとまず判断しました。

4.タイムスケジュール決め
お城の規模や整備状況などから見学時間を予想し、タイムスケジュールを決めます。今回の訪城は3月中旬だったので、日の出が6時、日の入りは18時でした。そこで、葛山城は早くて7時過ぎに登城開始。最後の狩野城は17時までに下山しておきたいので、下記のようなタイムスケジュールとなりました。

<タイムスケジュール>
7:30~9:15
葛山城(比高50m)
比高50mなので、主郭までの往復は15分弱、何度か訪れているので見学は約90分と設定。

9:20~10:20
千福城(比高30m)
葛山城からの移動は約5分。比高30mなので、主郭までの往復は10分弱。城域はさほど広くないので、見学は45分と設定。

10:50~12:45
山中城(比高100m)
千福城からの移動は約30分。何度か訪れているので見学は2時間弱と設定。

13:15~15:00
大平新城・大平古城(比高130m)
山中城からの移動は約30分。比高130mだが古城まで距離があるので往復約40分。訪城済の大平新城は城域や見どころからさほど時間はかからないと判断し、2城あわせて見学60分強と設定。

15:30~17:00
狩野城(比高100m)
大平新城からの移動は約30分。比高100mなので、主郭までの往復約25分
再訪なので見学は60分強と設定。下山時間が17時とギリギリになりそうだが、整備されているので多少遅くなっても大丈夫と判断。

このような感じで大まかに時間を計算し、1日で回るのに丁度良いぐらいと判断。
ちなみに、昼食は移動中に済ませるため、特に時間は設けません。

5.予定変更があった場合の保険!平城・丘城をチェック
早めに山城が終わった時のために、夕方頃に居ると思われる付近のお手軽に回れる平城・丘城をマーカー付けしていきましょう。今回は、大平新城・古城を見終わる時間が15時半以降になった場合、狩野城は時間的に無理だけれど終了するには早いので、この付近で手軽に回れる平城・丘城がないか調べてマッピングしておきます。

6.縄張図の用意
行くお城と回る順番が決まったら、最後に縄張図を用意。主人は自分で縄張図を描くので必要ないみたいですが、私は縄張図を見ながら見学したいので、事前に極力図面を用意しておきます。

計画はこれで終了!

立てた計画をもとに、いざ攻城!

せっかくなので、実際のお城めぐりはどうだったのか、各城の感想も含めてご紹介します。

7:40~9:20
葛山城
葛山城、二重堀切
到着が若干遅れ、予定より10分遅れでスタート。所要時間は、ほぼ予定通り。もともと整備されたお城だったけれど、大手曲輪など整備の範囲が広がり今回が最も見やすかったので、再訪して良かった。中心部の東と西にある二重堀切が最大の見どころ

9:20~9:30
葛山館
葛山館、麓、勝山城、土塁
予定に入れていなかったが、通り道にあり、すぐに見終わるから寄り道。葛山城の麓近くにあり土塁が残る

9:35~10:15
千福城
千福城、普明寺、主郭、薮
城域がコンパクトなため、見学が予定より早く終了。登城口の普明寺から案内があり、主郭まで整備されていた。以前は藪が酷く主郭までたどり着けなかったのが嘘のよう

11:10~12:45
山中城
山中城、障子堀、畝掘、北条氏
千福城からの移動中に渋滞区間があったのと、道を間違えてしまったため、移動に予定の倍近い時間がかかってしまった。何度か訪れているため、見学は予定より早めに終了。いつ訪れても広大な城域が公園整備され、障子堀、畝堀等、北条氏独特の堀が思いっきり堪能できる

13:25~14:55
大平新城・大平古城
大平新城、大平古城、尾根、堀切
山中城からの移動も、若干混雑していたため予定より時間がかかってしまった。新城までは再訪だったので整備されていると知っていたが、古城への道も歩きやすく予定した所要時間より早めに終了。古城は1998年に発見されたお城で、尾根を堀切で断ち切る、単純な造り

15:45~17:10
狩野城
狩野城、登城道、主要部、整備、尾根、連続堀切
大平新城からの移動が渋滞しており、かなり時間がかかってしまった。所要時間はほぼ予定通り。再訪のため様子が分かっていたことと、登城道や主要部は整備されているため、日没1時間前となる17時より遅い時間での下山だったが、安全に歩けたので大丈夫だった。今回は、先回訪城した時に見学しなかった未整備の尾根も見られて満足。連続堀切や横堀は必見

今回訪れたお城は、大平古城以外は再訪でしたが、充分楽しめました。一度行ったことがあるお城でも何年かすると、忘れてしまうことがあるし、整備状況が変わっていることもあるので、こうやって時々訪れて再発見、再感動するのも良いと思います。また、四季折々に楽しめるお城の場合は、違う季節にも訪れたいものです。

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執筆・写真/ちえぞー
愛知県出身。Webサイト「ちえぞー!城行こまい」管理人。城めぐりを趣味としており、ウモさんと一緒に年間約500城(再訪含む)をめぐり、これまでに約6000城に訪城している。主な執筆協力に『廃城をゆく』シリーズ、『あやしい天守閣』、『“復元”名城 完全ガイド』(いずれもイカロス出版)、『完全詳解 山城ガイド』(学研)など。

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