全国縦断!桜を愛でる花見の城 全国縦断!桜を愛でる花見の城 第1回|【九州・沖縄編】日本に春の訪れを告げる色彩豊かな桜の木々

明治時代に廃城となった城の多くは公園として市民に開放されました。
公園となった城には桜などの花木が植えられ私たちの目を楽しませてくれています。特に壮麗な天守を背景に咲き誇る桜は、日本の代表的な光景といっても差し支えないでしょう。桜と城の組み合わせはお城ファン以外にも人気が高く、弘前城高遠城が「日本三大桜の名所」とされている他、「日本さくら名所100選」にも全国29の城が選ばれています。
この連載では、そんな桜の名所ならぬ“桜の名城”を九州・沖縄地方から四国・中国地方、近畿・北陸地方、東海・甲信越地方、関東地方、東北・北海道地方とエリアごとに紹介していきます。

▼お花見ができる【桜の名城MAP】詳しくはこちら
alt

第1回では1月下旬から開花がはじまる沖縄県と、3月中旬頃から桜が咲きはじめる九州地方のお花見や桜まつりが楽しめるお城をめぐっていきます。

今帰仁城]カンヒザクラと琉球文化を楽しむ

琉球王国に滅ぼされた北山王の居城であり、世界遺産にも選ばれた今帰仁城(沖縄県)の平郎門から城内へ続く参道にはカンヒザクラが植えられており、1月下旬から2月下旬にきれいなピンク色の花を咲かせます。
この桜の開花にあわせた1月27日〜2月12日に今帰仁城では毎年「今帰仁グスク桜まつり」が開催されます。「今帰仁グスク桜まつり」は、沖縄の伝統芸能披露や特産物直売会、ふれあい手作り市などのイベントが盛りだくさん。それぞれ開催日が異なるので、詳しくはホームページで確認を。

alt
カンヒザクラのピンク色に染め上げられた、早春の今帰仁城登城路

[桜の見頃]1月下旬〜2月下旬

[イベント]今帰仁グスク桜まつり
開催日:1月27日〜2月12日
会場:今帰仁城跡
入場料:大人400円、小中学生300円
アクセス:沖縄自動車道許田ICから約40分
イベント詳細はこちら


熊本城]熊本の春を彩る恒例のお城まつり

加藤清正が築いた名城・熊本城(熊本県)。日本のさくら名所100選にも選ばれている城ですが、熊本地震で被災し、未だ城内には地震の痕が残っており有料区域は立入り規制中です。しかし、着実に復旧が進んでおり、今年も3月下旬から4月にかけて二の丸広場など周辺からきれいな桜を見ることができます。
桜の開花時期には毎年恒例の「春のくまもとお城まつり」が行われ、吹奏楽コンサートや豪華賞品も当たるクイズウォーク、茶会などさまざまなイベントが開催されます。

alt
被災前の熊本城大天守と桜。無骨な黒い天守も春には桜で華やかに彩られる。

[桜の見頃]3月下旬 ~ 4月上旬

[イベント]春のくまもとお城まつり
開催日:3月3・4、17~21、24・25日
アクセス:熊本市電「花畑町」もしくは「熊本城・市役所前」停留場から徒歩5分
イベント詳細はこちら


鹿島城]一目五千本の由緒ある桜

鹿島城(佐賀県)は佐賀藩の支藩・鹿島藩の居城として江戸時代後期に築かれた城ですが、1874年(明治7)の佐賀の乱で焼失しました。城跡は旭ヶ岡公園となり、明治時代に桜が植樹されました。その数は「一目五千本」といわれ、佐賀県三大桜の名所に数えられています。
旭ヶ岡公園では毎年、桜の開花時期にあわせて「桜まつり」を開催。この桜まつりは幕末に鹿島藩主・鍋島直彬が開いた花見の宴がはじまりとされる由緒あるもので、期間中は露店が立ち並び、夜は桜のライトアップも行われます。この“夜桜ボンボリ”は約200個が並び、いつもとは違った幻想的な景色が楽しめます。

alt
旭ヶ岡公園の桜。堀で遊ぶ水鳥と桜は在りし日の鹿島城を思い起こさせる(鹿島市提供)

[桜の見頃]3月下旬 ~ 4月上旬

[イベント]桜まつり
開催日:3月24日~4月4日、ライトアップは18時~22時
会場:旭ヶ岡公園
アクセス:肥前鹿島駅から徒歩15分
     長崎自動車道 武雄・北方 IC から車で約25分
イベント詳細はこちら


名護屋城]大名の陣屋をめぐるウォークラリー

豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に拠点として築いた名護屋城(佐賀県)。かつては全国の大名たちの陣屋が置かれ政治の中心にもなりましたが、江戸時代の破城により建物は残っていません。現在は天守閣跡を中心に400本の桜が植えられており、桜の名所として唐津市民に親しまれています。
名護屋城では3月25日に桜を見ながら諸大名の陣跡をめぐる「さくらと陣跡ウォーク」が開催されます。コースは「九州オルレ唐津コース」、「陣跡と太閤道コース」、VR名護屋城&城下町コース」の3つがあり、VRや唐津の自然などここでしかできない体験ができます。唐津の特産品があたる抽選会(空くじなし)もあるので、お土産もばっちりです。

alt
名護屋城には天守などの建物は残っていないが、破壊された石垣と桜の組み合わせは天守とはまた違った趣がある。

[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬

[イベント]さくらと陣跡ウォーク
開催日:3月25日
会場:名護屋城周辺および波戸岬周辺
参加料:中学生以上1,000円、小学生以下500円(昼食付)
※定員になり次第締め切り。
アクセス:JR唐津駅から車で約30分
イベント詳細はこちら


福岡城]華やかに咲き乱れる千差万別の桜

豊臣秀吉の軍師・黒田官兵衛が築いた福岡城。城内には18種類1,000本以上の桜が植えられており、3月下旬から4月下旬にかけて人々の目を楽しませてくれます。
この桜の開花にあわせて行われるのが、「福岡城さくらまつり」。90軒を超える屋台が軒を連ねる「さくらグルメ屋台」や新感覚アトラクションを楽しめる「アトラクションゾーン」など子どもから大人まで楽しめるイベントが盛りだくさんです。

alt
さくらまつりの期間中はライトアップも行われ、桜が華やかに映し出される(福岡市提供)

[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬

[イベント]福岡城さくらまつり
開催日:3月30日(金)~4月8日(日) (予定)。※開花状況によって日程変更の場合があります
会場:福岡城跡(舞鶴公園)
アクセス:福岡市地下鉄空港線赤坂駅から徒歩約10分
イベント詳細はこちら


上にあげた5城以外にも九州・沖縄地方にはお花見スポットとして有名なお城がたくさんあります。気になるお城をチェックしてみてください。

〈九州・沖縄の桜の名城 その他10城〉
小倉城(福岡県)
約300本の桜が色鮮やかに小倉城を彩ります。「小倉城桜まつり」では、例年ステージイベントやご当地グルメが楽しめます。
[桜の見頃]3月下旬 ~ 4月上旬
[イベント]小倉城桜まつり(3月31日~4月1日)
[アクセス]JR小倉駅から徒歩20分

秋月城(福岡県)
桜並木として知られる、約200本の桜のトンネルが人気のお花見スポット。「秋月春まつり」では、ステージイベントなどが行われ、多くの人で賑わいます。
[桜の見頃]3月下旬 ~ 4月上旬
[イベント]秋月春まつり(4月第1日曜日)
[アクセス]甘木鉄道甘木駅からバスで「博物館前」下車。バス停から徒歩約15分

岡城(大分県)
石垣を美しい桜が彩る岡城阯は、「日本さくら名所100選」に選定されています。4月3日には、「岡城桜まつり」が開催され、恒例の大名行列が城下町を練り歩きます。
[桜の見頃]3月下旬 ~ 4月上旬
[イベント]岡城桜まつり(4月第一日曜日を予定)
[アクセス]JR豊後竹田駅から徒歩約20分

島原城(長崎県)
長く市民に親しまれている桜の名所。桜のトンネルをはじめ、約250本の桜が島原城を彩ります。
[桜の見頃]3月下旬 ~ 4月上旬
[イベント]なし
[アクセス]島原鉄道島原駅から徒歩約5分

原城(長崎県)
「島原の乱」で有名な原城。本丸跡は桜の名所となっており、毎年多くの人で賑わいを見せています。
[桜の見頃]3月下旬 ~ 4月上旬
[イベント]なし
[アクセス]島原鉄道島原外港駅から車で約40分

佐賀城(佐賀県)
佐賀城跡のお堀沿いに桜並木が続いています。佐賀城公園内には散策コースがあり、周辺には美術館や博物館なども多いため、歩きながら様々な景色が楽しめます。
[桜の見頃]3月下旬〜4月上旬
[イベント]なし
[アクセス]JR佐賀駅から徒歩約30分

唐津城(佐賀県)
城を囲むように桜が咲き誇る、佐賀県内でも人気のお花見スポット。唐津城を囲む海の青と桜の美しい景色は必見です。
[桜の見頃]3月下旬 ~ 4月上旬
[イベント]なし
[アクセス]JR唐津駅から徒歩約20分


延岡城(宮崎県)
礎石をはずすと崩れ落ち、千人の敵を倒すことができるといわれる高さ22mの「千人殺しの石垣」を中心に、園内には300本の桜が植えられていて、訪れる人を楽しませます。
[桜の見頃]3月下旬 ~ 4月上旬
[イベント]ワイワイ花物語2018(3月24日〜4月15日)
[アクセス]JR延岡駅から車で約10分
イベント詳細はこちら

国分城(鹿児島県)
約700本の桜が楽しめる国分城山公園は、花見客で賑わう定番スポット。園内には展望台や観覧車、ゴーカート場などがあり、子どもから大人まで1日中楽しめます。
[桜の見頃]3月下旬 ~ 4月上旬
[イベント]桜まつり(4月初旬を予定)
[アクセス]JR国分駅から車で約10分
国分城公園の詳細はこちら

名護城(沖縄県)
名護城跡の名護中央公園にある、約2kmの遊歩道には鮮やかなピンクの桜が並びます。名護桜祭りでは、沖縄のエイサーや、琉球舞踊など、沖縄らしい伝統芸も見ることができます。
[桜の見頃]1月中旬頃~2月
[イベント]名護桜祭り(1月27日、28日)
[アクセス]沖縄自動車道許田ICから車で約20分
イベント詳細はこちら

※イベントの日程や内容は、変更となる場合がありますので、事前にご確認の上、お出かけください。

執筆・写真/かみゆ歴史編集部
「歴史はエンタテインメント!」をモットーに、ポップな媒体から専門書まで編集制作を手がける歴史コンテンツメーカー。手がける主なジャンルは日本史、世界史、美術史、宗教・神話、観光ガイドなど歴史全般。主な城関連の編集制作物に『日本の山城100名城』『超入門「山城」の見方・歩き方』(ともに洋泉社)、『よくわかる日本の城 日本城郭検定公式参考書』『完全詳解 山城ガイド』(ともに学研プラス)、『戦国最強の城』(プレジデント社)、『カラー図解 城の攻め方・つくり方』(宝島社)、「廃城をゆく」シリーズ(イカロス出版)など。

関連書籍